2027年(令和9年)の埼玉県公立高校入試は、学力検査が2月25日(木)、合格発表が3月5日(金)です。2026年10月29日には、中学3年生が10月1日時点でどの高校を希望しているかをまとめた進路希望状況調査が県教育委員会から発表されました。面接が全員必須になり、マークシート方式が入る制度改訂の初年度でもあります。県内公立全日制の希望倍率は1.12倍で、前年同期(1.13倍)とほぼ同じです。最新の希望倍率、日程、変更点を県の公表資料だけで整理しました。
10月1日現在の要点
・県内公立全日制の希望倍率は1.12倍(前年同期1.13倍)
・普通科は1.23倍で前年同期と同じ。普通科37校が募集人員を40人ずつ減らしたため、希望者が1,752人減っても倍率は下がっていない
・普通科の最高は川越市立川越の2.84倍。2倍を超えたのは普通科7校と専門学科1学科
・普通科98学科のうち41学科が1倍を下回る
10月1日現在の希望倍率(2026年10月29日発表)
2027年3月に県内の中学校等を卒業する予定の生徒は60,491人で、前年同期より1,711人減りました。このうち県内公立高校の全日制を希望する人は37,189人。内部進学の希望者239人を除いた36,950人を募集人員33,000人で割った倍率は1.12倍で、前年同期を0.01ポイント下回りました。
学科別では、普通科が1.23倍(前年同期と同じ)、専門学科が0.80倍(同0.83倍)、総合学科が0.88倍(同0.91倍)です。普通科の希望者は前年同期の31,363人から29,611人へ1,752人減りましたが、普通科の募集人員も25,514人から24,034人へ1,480人減っています。朝霞、浦和北、浦和東などが募集人員を40人ずつ減らしたため、倍率は前年と同じ水準にとどまりました。
県内の国・私立高校の全日制を希望する人は11,531人で、卒業予定者に占める割合は19.1%(前年同期18.5%)。公立全日制を希望する割合は61.5%(同63.1%)で、2年前の66.0%から下がり続けています。私立の日程は埼玉の私立高校入試2027にまとめています。

希望倍率が2倍を超えた学科
| 学校・学科 | 希望者 | 募集人員 | 倍率 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 川越市立川越(普通) | 397人 | 140人 | 2.84倍 | 2.99倍 |
| さいたま市立浦和(普通) | 677人 | 240人 | 2.82倍 | 2.75倍 |
| 川口市立(普通) | 647人 | 240人 | 2.70倍 | 3.01倍 |
| 越谷総合技術(食物調理) | 94人 | 40人 | 2.35倍 | 1.63倍 |
| 上尾(普通) | 552人 | 238人 | 2.32倍 | 2.36倍 |
| 大宮(普通) | 712人 | 318人 | 2.24倍 | 2.29倍 |
| 浦和西(普通) | 739人 | 358人 | 2.06倍 | 2.08倍 |
| 越谷南(普通) | 648人 | 318人 | 2.04倍 | 2.12倍 |
さいたま市立浦和と川口市立は、併設中学校からの内部進学希望者を除いた数字です。専門学科では越谷総合技術の食物調理科に次いで、川越工業の電気科が1.98倍、新座総合技術の食物調理科が1.93倍、熊谷農業の食品科学科と川口市立の理数科が1.70倍でした。前年同期から大きく上がった普通科は浦和北(1.09→1.53倍)、浦和東(1.26→1.67倍)、川口東(1.01→1.40倍)で、いずれも募集人員を40人減らした学校です。いちばん低いのは妻沼の0.21倍でした。
学校選択問題を使う23校の希望倍率
| 学校(普通科) | 倍率 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 浦和 | 1.12倍 | 1.10倍 |
| 浦和第一女子 | 1.02倍 | 1.08倍 |
| 浦和西 | 2.06倍 | 2.08倍 |
| 大宮 | 2.24倍 | 2.29倍 |
| 春日部 | 1.14倍 | 1.19倍 |
| 川口北 | 0.97倍 | 1.04倍 |
| 川越 | 1.24倍 | 1.39倍 |
| 川越女子 | 1.12倍 | 1.24倍 |
| 川越南 | 1.56倍 | 1.65倍 |
| 熊谷 | 0.94倍 | 0.96倍 |
| 熊谷女子 | 0.92倍 | 0.91倍 |
| 熊谷西 | 1.38倍 | 1.48倍 |
| 越ケ谷 | 1.68倍 | 1.70倍 |
| 越谷北 | 1.33倍 | 1.42倍 |
| 所沢 | 1.60倍 | 1.89倍 |
| 所沢北 | 1.61倍 | 1.55倍 |
| 不動岡 | 1.42倍 | 1.42倍 |
| 和光国際 | 1.39倍 | 1.55倍 |
| 蕨 | 1.53倍 | 1.47倍 |
| さいたま市立浦和 | 2.82倍 | 2.75倍 |
| さいたま市立浦和南 | 1.82倍 | 1.96倍 |
| さいたま市立大宮北 | 1.69倍 | 1.86倍 |
| 川口市立 | 2.70倍 | 3.01倍 |
23校のうち前年同期より上がったのは浦和、熊谷女子、所沢北、蕨、さいたま市立浦和の5校で、川口北、熊谷、熊谷女子の3校は1倍を下回っています。
注意:出願時の倍率ではありません
この調査は10月1日時点の「希望」を募集人員で割った数字です。2月に発表される志願確定倍率は入学許可予定者数で割るため、分母が違います。前年は10月時点で1.13倍だった全体の倍率が、志願確定時には1.04倍でした。次回の調査(12月15日現在)は2027年1月中旬ごろに公表される予定です。
令和9年度の募集人員は1,600人減、40校で1学級ずつ減る
県教育委員会は2026年6月16日、令和9年度の公立高校全日制の募集人員を33,480人と発表しました。前年度の35,080人から1,600人の減少で、募集する学校は131校のまま変わりません。県内の中学校等の卒業予定者が60,438人と、前年度より1,704人少なく見込まれるためです。定時制は2,000人で増減はありません。
減るのは40校で、どの学校も1学級分の40人です。内訳は普通科が37校で1,480人、総合学科が久喜北陽と幸手桜の2校、専門学科が熊谷商業の総合ビジネス科です。
普通科の募集人員が40人減る37校
- 朝霞、朝霞西、伊奈学園総合、入間向陽、浦和北、浦和東、大宮光陵、大宮東、大宮南、桶川
- 春日部、春日部東、川口、川口北、川口青陵、川口東、川越初雁、久喜、鴻巣、越谷西
- 坂戸、坂戸西、狭山清陵、草加、草加東、所沢中央、所沢西、豊岡、南稜、新座
- 深谷、本庄、松山、松山女子、三郷、与野、鷲宮
上で触れた浦和北・浦和東・川口東のように、定員が減った学校は希望者が同じくらいでも倍率が上がります。志望校がこの一覧に入っているなら、前年の倍率だけで「入りやすさ」を判断しないほうが安全です。
なお、進路希望状況調査で倍率の分母にしている募集人員は33,000人で、6月発表の33,480人と480人の差があります。県の統計表の注によると、転編入枠の240人と、伊奈学園中学校・さいたま市立浦和中学校・川口市立高等学校附属中学校からの内部進学予定者(各80人)を除いた数字です。
令和9年度入試の日程
| できごと | 期日 |
|---|---|
| インターネット出願 | 2027年1月26日(火)正午〜2月9日(火)正午 |
| 出願書類の提出(志願者が持参する場合) | 2月15日(月)・16日(火)正午まで |
| 志願先変更 | 2月17日(水)9時〜2月18日(木)16時 |
| 受検票の印刷 | 2月19日(金)16時以降 |
| 学力検査 | 2月25日(木) |
| 面接(すべての学校) | 2月26日(金) |
| 特色検査(一部の学校) | 2月26日(金)または3月1日(月) |
| 追検査 | 3月2日(火) |
| 入学許可候補者発表 | 3月5日(金)9時 |
追検査は、インフルエンザにかかるなどやむを得ない事情で学力検査を受けられなかった人が対象です。受検願の提出期限は2月26日(金)正午。ただし追検査受検願を出した人は、本検査の面接を受けられません。
欠員補充は3月5日(金)14時に公示され、出願書類の提出は3月9日(火)以降、検査は3月16日(火)以降です。具体的な日程と内容は高校ごとに違い、公示のあとに各校が発表します。県が決めているのは開始日の枠だけです。
学力検査の時間割
5教科、各100点、各50分。合計500点満点です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 8:45〜9:20 | 一般諸注意 |
| 9:25〜10:15 | 国語 |
| 10:35〜11:25 | 数学 |
| 11:45〜12:35 | 社会 |
| 13:30〜14:20 | 理科 |
| 14:40〜15:30 | 英語 |
社会と理科の間が昼食です。教科数・配点・時間そのものは前年から変わりません。
令和9年度から変わること
面接がすべての学校・すべての受検生に。これまでは一部の学校だけでした。個人面接か集団面接かは学校が選びます。受検生が自分について1分30秒から2分話す「My Voice」のあと、3分30秒から6分の質問・応答があり、入退室を含めて5分から8分程度です。基本点は30点で、学校によって1倍か2倍になります。
マークシート方式が入ります。得点に換算して約9割がマークシート、約1割が記述式です。国語の作文は出題されません。追検査も同じ方式です。県は、マークシートになっても難易度は変えないとしています。
調査書が2項目に縮みます。残るのは「各教科の学習の記録」(9教科5段階)と「総合的な学習の時間の記録」だけ。これまであった特別活動等の記録は削除されました。代わりに「自己評価資料」が新設され、これまでの体験や力を注いだことを受検生自身が書いて出願時に提出します。これは面接の補助資料で、資料そのものは点数になりません。
選抜の枠組みも変わります。従来の第1次〜第3次選抜ではなく、共通選抜と特色選抜になりました。共通選抜は県が定める方法で学力検査・調査書・面接を得点化し、特色選抜は学校ごとに方法を決め、特色検査を加えたり、3教科までの傾斜配点を使ったりできます。
学校選択問題は23校
数学と英語で、応用的な内容を含む問題を使う学校です。令和9年度は23校で、令和8年度の22校からさいたま市立浦和南高校が加わりました。減った学校はありません。
県立19校は浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、春日部、川口北、川越、川越女子、川越南、熊谷、熊谷女子、熊谷西、越ケ谷、越谷北、所沢、所沢北、不動岡、和光国際、蕨。市立4校はさいたま市立浦和、さいたま市立浦和南、さいたま市立大宮北、川口市立です。このうち浦和、浦和第一女子、春日部、川越、川越女子、熊谷、熊谷女子の7校は県立の男女別学校です。
倍率の推移
まず用語です。埼玉県が発表する数字には「志願確定後の倍率」(2月下旬、志願者数÷入学許可予定者数)と「競争率」(4月、受検者数÷入学許可候補者数)があり、分母が違います。募集人員で割った数字ではないので、混ぜると計算が合いません。
| 年度 | 志願確定者数(全日制) | 志願確定倍率 | 競争率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | — | 1.11倍 | 1.14倍 |
| 令和6年度 | 39,414人 | 1.12倍 | 1.15倍 |
| 令和7年度 | 38,587人 | 1.10倍 | 1.16倍 |
| 令和8年度 | 35,976人 | 1.04倍 | 1.11倍 |
令和8年度は志願者が前年より2,611人減り、確定倍率1.04倍は直近で最も低い数字です。中学校の卒業予定者数は329人しか減っていないので、人数の減少だけでは説明がつかない規模です。県は理由を公表していません。
定員割れが増えている
| 年度 | 欠員補充の募集人員 | 欠員補充の受検者 | 充足しない学校数 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 1,251人 | 299人 | 40校 |
| 令和7年度 | 1,857人 | 320人 | 47校 |
| 令和8年度 | 2,275人 | 224人 | 65校 |
いずれも全日制の数字です。欠員補充の枠は2年で1.8倍に増えた一方、補充を受けた人は224人まで減り、定員に届かなかった学校は全日制131校のうち65校になりました。
受検者の平均点
各教科100点満点です。年による振れ幅が大きいことが分かります。
| 年度 | 国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 58.1 | 65.7 | 51.7 | 51.6 | 53.4 |
| 令和7年度 | 63.4 | 65.6 | 52.3 | 64.8 | 43.6 |
| 令和8年度 | 60.9 | 66.8 | 50.4 | 63.2 | 52.1 |
学校選択問題の平均点は、令和6年度が数学50.2点・英語54.8点、令和7年度が数学44.8点・英語57.0点、令和8年度が数学57.3点・英語61.2点でした。令和7年度は英語(学力検査問題)が43.6点、学校選択問題の数学が44.8点と大きく下がっています。
志望校の条件はどこで見るか
学力検査と調査書と面接をどう組み合わせるかは学校ごとに違います。令和8年度まで「選抜基準」と呼ばれていたこの資料は、令和9年度から「各高等学校の選抜実施内容」に名前が変わりました。確定版が2026年9月に県のサイトで公表されていて、高校ごとのPDFと検索ツールで見られます。旧名称で探すとページが見つからないので注意してください。
記載されているのは、目指す学校像、選抜の種類(共通選抜か特色選抜か)、学力検査の配点と学校選択問題・傾斜配点の有無、調査書の学年比率と満点、面接の形式と配点などです。
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よくある質問
令和9年度の倍率はいつ分かりますか。
中学3年生の希望をまとめた進路希望状況調査は、10月1日現在の結果が2026年10月29日に出ました。12月15日現在の結果が2027年1月中旬ごろに出ます。実際の出願にもとづく志願者数は2月上旬、志願確定者数と確定倍率は2月下旬に県から発表され、学校ごとの数字も同時に出ます。
前期・後期はありますか。
ありません。埼玉県の公立高校入試は学力検査1回です。3月の欠員補充は、定員に満たなかった学校の追加募集です。
面接では何を聞かれますか。
県が定める共通の観点は「主体的・協働的な学びの力」と「自らの人生や社会の未来を切り拓く力」で、これに学校独自の項目が加わり5段階で評価されます。出願時に出す自己評価資料が補助資料として使われます。
問い合わせ先は。
埼玉県教育局高校教育指導課の入試相談、電話048-556-2439です。
この記事の確認日と出典
この記事は2026年10月30日時点の情報です。10月1日現在の進路希望状況調査の数字は、県教育委員会の調査の概況と統計表(第1表・第4表・第12表・第13表)で確認し、倍率は希望者数÷募集人員で検算しています。令和9年度の募集人員と1学級減の学校は、2026年10月30日に県の報道発表と生徒募集人員一覧で確認しました。入試日程、倍率の推移、受検者の平均点、欠員補充の状況は、2026年9月23日に各年度の県の報道発表(入学者選抜実施状況など)と令和9年度入学者選抜実施要項で確認しています。入試相談の電話番号は県の「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報」のページで確認しました。日付はすべて曜日で検算しました。学校ごとの細かい数字は、下の県の資料を直接ご確認ください。
- 埼玉県「令和9年3月中学校等卒業予定者の進路希望状況調査(令和8年10月1日現在)」(2026年10月29日掲載)
- 埼玉県「令和9年度埼玉県公立高等学校第1学年及び専攻科第1学年並びに県立中学校第1学年生徒募集人員について」(2026年6月16日発表)
- 埼玉県教育委員会「令和9年度生徒募集人員一覧」
- 埼玉県「令和8年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施状況について」(平均点・欠員補充・充足しない学校数)
- 埼玉県「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の日程について」(2025年5月22日発表)
- 埼玉県教育委員会「令和9年度入学者選抜実施要項・入学者選抜要領」
- 埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報」
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