高齢者のインフルエンザ予防接種は、市町村が費用の一部を負担する「定期接種」です。ただし自己負担額は市によって違います。
埼玉県内の主要14市を調べたところ、最も安いのは1,000円、最も高いのは1,859円。同じワクチンを打つのに859円の差がありました。
さらに2026年度は、インフルエンザの流行入りが例年より早いことを受けて接種開始日を前倒しした市があります。10月1日開始という思い込みで動くと、数週間を無駄にしかねません。
主要14市の自己負担額と開始日
| 市 | 自己負担額 | 開始日 | 終了日 |
|---|---|---|---|
| 川口市 | 1,000円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 草加市 | 1,000円 70歳以上は無料 |
10月1日 | 1月31日 |
| 朝霞市 | 1,500円 | 9月17日 | 1月31日 |
| 越谷市 | 1,500円 | 9月24日 市内医療機関の場合 |
1月31日 |
| 川越市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 上尾市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 新座市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 狭山市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 春日部市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 入間市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| ふじみ野市 | 1,500円 | 10月1日 | 1月31日 |
| 三郷市 | 1,500円 | 10月1日 準備できた医療機関は前倒し |
1月31日 |
| さいたま市 | 1,600円(税込) | 10月1日 | 1月31日 |
| 所沢市 | 1,859円 | 10月1日 | 1月31日 |
いずれも2026年度(令和8年度)の各市公式サイトの発表にもとづく金額です。
川口市・草加市が1,000円、所沢市が1,859円
最も多いのは1,500円で、14市のうち10市がこの金額です。そこから外れているのが4市。
- 川口市・草加市:1,000円(県内最安)
- さいたま市:1,600円(税込と明記)
- 所沢市:1,859円(県内最高)
川口市と所沢市では859円の開きがあります。夫婦2人で接種すれば1,700円以上の差になります。
草加市は70歳以上が無料
草加市は70歳以上(昭和32年4月1日以前の生まれ)が無料です。今回調べた範囲では、年齢だけを理由に無料にしている市はほかにありませんでした。
今年は開始が早い市があります
例年は10月1日開始が基本ですが、2026年度はインフルエンザの流行入りが早いため、国の通知にもとづいて前倒しした市があります。
| 朝霞市 | 9月17日開始。ただし9月16日以前の接種、および朝霞・志木・和光・新座の4市の協定医療機関以外での接種は全額自己負担 |
|---|---|
| 越谷市 | 9月24日開始(市内医療機関のみ)。前倒し期間中に市外で接種すると定期接種の対象外。市外は10月1日から |
| 三郷市 | 準備が整った市内医療機関から前倒しで接種可能 |
| 草加市 | 指定医療機関の準備が整い次第。県内相互乗り入れは10月1日から |
前倒し期間には「市内の指定医療機関に限る」という条件が付いている点に注意してください。いつもの市外のかかりつけ医で早めに受けると、全額自己負担になる可能性があります。
なおさいたま市は接種期間の変更を検討中と公式サイトに明記しています。今後の更新を確認してください。
無料になる人
どの市でも共通して自己負担が免除されるのは次の方です。
- 生活保護を受給している世帯の方(受給証の提示が必要)
- 中国残留邦人等支援給付を受けている方(本人確認証の提示が必要)
さらに、市によっては対象が広がります。
- さいたま市:市民税非課税世帯(世帯全員が非課税)も免除。ただし事前申請で「無料券」を取得する必要があり、接種後の返金はできません
- 越谷市:市民税非課税世帯も無料(事前の手続きが必要)
- 草加市:70歳以上が無料
非課税世帯の免除は事前手続きが必要な点が重要です。接種してから申し出ても戻ってきません。該当しそうな方は、接種前に市の窓口へ確認してください。
県内なら他の市の病院でも同じ金額で受けられます
意外と知られていないのが、埼玉県内の「相互乗り入れ制度」です。
かかりつけ医が住んでいる市の外にある場合でも、その医療機関が県内の協力医療機関であれば、住んでいる市の公費負担を使って接種できます。埼玉県医師会が県内のほぼ全域を対象に運用しています。
ただし条件があります。
- 市によっては事前の申請や予診票の取得が必要です(ふじみ野市は9月17日から申請受付、三郷市は9月中の市外接種に事前手続きが必須など)
- 前倒し期間中は対象外になる市があります
- 県外の医療機関は原則対象外。入院中などやむを得ない場合のみ、事前申請で償還払いとなります
市境に住んでいて隣の市の病院に通っている方は、この制度を使えるか市の窓口で確認する価値があります。
75歳以上向けの高用量ワクチンは見送られました
75歳以上を対象とした高用量インフルエンザワクチンの定期接種化は、2026年度からの導入が見送られました。供給が困難なためです。久喜市・三郷市がそれぞれ公式サイトで明記しています。
三郷市は、個別通知に同封された文書や予診票に高用量ワクチンの記載が残っている場合があるとして注意を呼びかけています。接種できるのは標準量のワクチンのみです。
対象になる人
定期接種の対象は、どの市もほぼ共通です。
- 接種日に65歳以上の方(多くの市で、65歳の誕生日の前日から対象)
- 接種日に60歳以上65歳未満で、心臓・じん臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害がある方(身体障害者手帳1級相当。医師の診断書や手帳の写しが必要)
公費で受けられるのは期間中1回だけです。2回目以降は全額自己負担になります。
今回確認できなかった市
次の市は、2026年度の情報が公式サイトで確認できませんでした。
- 久喜市:対象者は掲載済みですが、金額と期間は「詳細が決まり次第、ホームページと広報くき10月号でお知らせ」とされています
- 深谷市:期間(10月1日〜1月31日)は掲載されていますが、金額が画像で提供されており読み取れませんでした
- 戸田市・熊谷市:高齢者インフルエンザの案内ページが見つかりませんでした
これらの市にお住まいの方は、市の公式サイトか健康担当課に直接ご確認ください。
よくある質問
予診票や無料券は届きますか?
市によって異なります。深谷市は9月8日に予診票を発送、草加市は9月24日から受診券が順次届きます。一方、朝霞市と春日部市は個別通知がなく、予診票は医療機関の窓口にあります。「届かないから対象外」とは限りません。
65歳の誕生日前に受けても対象ですか?
多くの市で「誕生日の前日から」対象になります。ただし川口市のように「接種当日に対象年齢に達していなければ助成の対象にならない」と明記している市もあります。誕生日が近い方は事前に確認してください。
期間を過ぎたらどうなりますか?
全額自己負担になります。狭山市は対象外の接種費用を5,200円程度と案内しています。1月31日が締切の市がほとんどなので、年末年始を挟む前に済ませるのが安全です。
新型コロナワクチンと同時に受けられますか?
ふじみ野市は同時接種が可能で、他のワクチンとの接種間隔の制限もないと案内しています。ただし高齢者の新型コロナ定期接種は自己負担額が大きく異なります(さいたま市8,000円、川口市5,000円、上尾市10,700円、入間市11,600円など)。
子どものインフルエンザにも助成はありますか?
子どものインフルエンザは任意接種で、市町村が独自に助成しているかどうかは分かれます。今回調べた範囲では、主要市の公式サイトに小児インフルエンザ助成のページは見当たりませんでした。お住まいの市町村にご確認ください。
まとめ
- 自己負担額は1,000円(川口市・草加市)から1,859円(所沢市)まで859円の差
- 草加市は70歳以上が無料
- 朝霞市は9月17日、越谷市は9月24日から前倒し開始。ただし市内の指定医療機関に限る条件つき
- 生活保護世帯は全市で無料。さいたま市・越谷市は非課税世帯も無料だが事前手続きが必要
- 県内の協力医療機関なら他の市でも同じ自己負担額で受けられる
※この記事は2026年9月時点で各市が公式サイトに掲載していた内容にもとづきます。金額・期間は変更される場合があり、実際にさいたま市は期間の変更を検討中と公表しています。接種前に必ずお住まいの市町村の最新情報をご確認ください。

