埼玉県は2026年9月25日にインフルエンザの流行注意報を発令しました。最新の第39週(9月21日〜27日)の報告数は1定点当たり14.17人で、前年同じ時期(1.43人)の約10倍です。これを受けて、65歳以上の高齢者インフルエンザ定期予防接種は、調べた18市のうち12市が開始日を10月1日より前に前倒ししました。
自己負担額は1,000円から1,859円まで市によって違い、前倒しの期間は「市内の指定医療機関に限る」などの条件がつきます。9月30日時点の各市の公式サイトで確認した内容をまとめました。
埼玉県の流行状況

| 週 | 2026年 | 2025年の同じ週 |
|---|---|---|
| 第36週(8/31〜9/6) | 4.57 | 0.49 |
| 第37週(9/7〜13) | 9.10 | 0.77 |
| 第38週(9/14〜20) | 13.37 | 0.96 |
| 第39週(9/21〜27) | 14.17 | 1.43 |
単位は1定点(医療機関)当たりの報告数です。県内では8月上旬(第32週)に流行開始の目安の1.00を超え、第38週に注意報の基準の10を超えました。県が発表した第38週の保健所別の報告数は、朝霞(21.81)、南部(21.00)、川口市(19.79)、草加(18.70)の順に多く、14歳以下が報告の約6割を占めています。9月16日には、県内の公立学校で今季初めてインフルエンザ様疾患による学校閉鎖(中学校1校)がありました。
※表の値は2026年9月29日現在の暫定値で、今後修正されることがあります(第38週は注意報発表時点では13.56)。
18市の自己負担額と開始日
| 市 | 自己負担額 | 接種開始 | 前倒し期間の条件など |
|---|---|---|---|
| 朝霞市 | 1,500円 | 9月17日(木) | 朝霞・志木・和光・新座4市の協定医療機関のみ。9月16日以前と4市以外の医療機関は全額自己負担 |
| 新座市 | 1,500円 | 9月17日(木) | 同上(朝霞地区4市の協定医療機関のみ) |
| 川口市 | 1,000円 | 9月24日(木) | 市が指定する市内医療機関(開始日は医療機関ごとに異なる)。市外は10月1日から、接種10日前までに連絡 |
| 越谷市 | 1,500円 | 9月24日(木) | 9月30日までは市の実施医療機関のみ。県内相互乗り入れは10月1日から(事前登録) |
| 狭山市 | 1,500円 | 9月24日(木) | 市内指定医療機関のみ。9月24〜30日に県内の協力医で受けると全額自己負担 |
| 入間市 | 1,500円 | 9月24日(木) | 市外(県内)は10月1日から |
| 所沢市 | 1,859円 | 9月24日(木) | 所沢市医師会加入の医療機関(市内142か所)。事前予約が必要 |
| 戸田市 | 1,500円 | 9月24日(木) | 戸田市・蕨市内の指定医療機関 |
| 春日部市 | 1,500円 | 9月24日(木)以降 | 体制が整った医療機関から順次。市外は10月1日から |
| さいたま市 | 1,600円(税込) | 9月中から順次 | 準備が整った市内の実施医療機関。市外(県内)は10月1日から |
| 三郷市 | 1,500円 | 医療機関ごと(9月10日〜) | 市が公表した31の市内医療機関で前倒し。9月中の市外接種は事前手続きが必要 |
| 草加市 | 1,000円(70歳以上は無料) | 準備が整い次第 | 草加市・八潮市の指定医療機関。県内相互乗り入れは10月1日から |
| 熊谷市 | 1,000円 | 10月1日(木) | 10月1日より前を希望する場合は市内のかかりつけ医に相談 |
| 川越市 | 1,500円 | 10月1日(木) | — |
| 上尾市 | 1,500円 | 10月1日(木) | — |
| ふじみ野市 | 1,500円 | 10月1日(木) | — |
| 久喜市 | 1,500円 | 10月1日(木) | — |
| 深谷市 | 1,000円 | 10月1日(木) | — |
終了日はいずれも2027年1月31日(日)です。公費で受けられるのは期間中1回だけです。
前倒しで受けるときの注意
前倒しの期間は、多くの市で「市内の指定医療機関に限る」という条件がついています。県内のほかの市の医療機関で受けられる「相互乗り入れ」は、ほとんどの市で10月1日からです。
- 朝霞市・新座市:9月16日以前の接種と、朝霞地区4市の協定医療機関以外での接種は全額自己負担
- 狭山市:9月24日〜30日に県内の協力医で受けると、定期接種の対象外(全額自己負担)
- 所沢市:前倒しで受けられるのは所沢市医師会に加入する医療機関で、事前予約が必要
- 三郷市:開始日は医療機関ごとに違い、市が一覧(PDF)を公開しています
いつもの医療機関が市外にある人は、10月1日を待つか、市内の指定医療機関で受けるかを先に確認してください。さいたま市は「予防接種後、免疫がつくまでに2週間程度かかる」として、早めの接種を呼びかけています。
自己負担額は1,000円から1,859円
最も多いのは1,500円で、18市のうち12市がこの金額です。
- 1,000円:川口市、草加市、熊谷市、深谷市
- 1,600円(税込):さいたま市
- 1,859円:所沢市
いちばん安い市と所沢市の差は859円です。深谷市の金額は、市のページに掲載された料金表の画像によります。
無料になる人
どの市でも、生活保護を受けている世帯の人と中国残留邦人等支援給付を受けている人は無料です(受給証などの提示が必要)。さらに次の市では対象が広がります。
- さいたま市:市民税非課税世帯(世帯全員が非課税)も無料。介護保険料決定通知書などを提示するか、事前申請で「無料券」を取得
- 越谷市:市民税非課税世帯も無料(事前の手続きが必要)
- 戸田市:市民税非課税世帯も無料(市発行の無料券が必要、申込は2027年1月15日まで)
- 草加市:70歳以上(昭和32年4月1日以前の生まれ)は無料
非課税世帯の免除は、接種してから申し出ても戻らないので、該当しそうな人は接種前に手続きをしてください。
県内なら他の市の医療機関でも受けられる
埼玉県内では、住んでいる市の外の医療機関でも、県内の協力医療機関であれば住んでいる市の自己負担額で受けられる「相互乗り入れ」があります。ただし、市によって事前の申請や予診票の取り寄せが必要です(ふじみ野市は申請が必要、川越市は予診票を9月25日から配布、上尾市は予約時に「相互乗り入れ」と伝えるなど)。県外の医療機関は原則対象外で、やむを得ない場合だけ事前申請で費用の一部が戻ります。
75歳以上の高用量ワクチンは見送り
75歳以上を対象とした高用量インフルエンザワクチンの定期接種化は、供給が難しいため2026年度からの導入が見送られました(久喜市・三郷市が公式サイトで明記)。受けられるのは標準量のワクチンです。
対象になる人
- 接種日に65歳以上の人(多くの市で65歳の誕生日の前日から)
- 60歳以上65歳未満で、心臓・じん臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害がある人(身体障害者手帳1級相当)
よくある質問
予診票は届きますか?
市によって違います。深谷市は9月8日に発送済み、草加市は9月24日から受診券が順次届きます。朝霞市や春日部市は個別通知がなく、予診票は医療機関にあります。草加市では、受診券が届く前に接種した人は後日医療機関に持参します。
子どものインフルエンザにも助成はありますか?
子どものインフルエンザは任意接種で、費用は全額自己負担が基本です。助成の有無は市町村によって違うため、お住まいの市町村に確認してください。今季は報告の約6割が14歳以下で、かかりつけの小児科に接種時期を相談するのが確実です。
新型コロナワクチンも同じ時期に受けられますか?
高齢者の新型コロナ定期接種は、多くの市で10月1日開始のままです。自己負担額は市によって大きく違います(さいたま市8,000円、熊谷市6,000円、入間市11,600円など)。
期間を過ぎたらどうなりますか?
全額自己負担になります。ほとんどの市は2027年1月31日が締切なので、年末年始をはさむ前に済ませるのが安心です。
出典
埼玉県「インフルエンザの流行注意報を発令します」(2026年9月25日)、埼玉県感染症情報センター「インフルエンザ流行情報」、埼玉県教育局「インフルエンザ様疾患による今季初の学校閉鎖について」、各市の高齢者インフルエンザ予防接種のページ(2026年9月30日確認)。金額・期間は変わる場合があるため、接種前にお住まいの市の最新情報を確認してください。


