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埼玉のふるさと納税|出た721億・入った144億【市町村別】

埼玉県民が寄付した721億円と県内自治体が受け取った144億円を比較した図 くらし・行政

2025年、埼玉県民がふるさと納税で他の自治体へ寄付した額は721億1,000万円。一方で、県内の自治体が受け取った寄付は143億6,300万円でした。

出ていく額と入ってくる額に、約577億円のひらきがあります。

この記事は、総務省が2026年7月31日に公表した最新の現況調査を集計し、県内63市町村ごとの数字を一覧にしたものです。あわせて、2026年10月から変わる新ルールと、寄付する側が押さえておくべき手続きをまとめます。

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埼玉県全体の数字

県民が寄付した額721億1,000万円
県内自治体が受け取った額143億6,300万円(前年 123億5,400万円)
寄付によって減った住民税559億3,200万円
利用した人726,540人

県内で72万人以上がふるさと納税を使っています。受入額は前年から約20億円伸びていますが、出ていく側の規模には遠く及びません。

市町村別ランキング(寄付額の多い順)

「寄付額」はその市町村に住む人が他自治体へ寄付した合計、「受入額」はその市町村が受け取った寄付です。

順位市町村寄付額受入額利用者数
1さいたま市205.6億円9.5億円179,132人
2川口市64.9億円3.3億円65,443人
3所沢市35.1億円1.8億円35,095人
4越谷市33.6億円2.4億円34,784人
5川越市30.7億円6.3億円32,209人
6草加市24.0億円22.8億円25,522人
7上尾市21.1億円5.6億円22,435人
8朝霞市19.6億円0.1億円19,814人
9戸田市18.3億円6.1億円18,767人
10新座市15.4億円0.6億円16,651人
11春日部市14.8億円1.7億円17,216人
12熊谷市14.1億円0.6億円14,671人
13和光市13.6億円0.1億円13,189人
14久喜市12.2億円2.8億円12,564人
15ふじみ野市12.1億円0.5億円12,011人
16三郷市11.9億円0.1億円12,705人
17富士見市11.1億円0.4億円12,068人
18蕨市10.5億円1.5億円8,382人
19八潮市9.3億円0.5億円9,987人
20狭山市9.2億円1.6億円11,246人

さいたま市は寄付額が受入額の21倍

さいたま市の住民が寄付した205.6億円に対し、市が受け取ったのは9.5億円。約21倍のひらきがあります。住民税控除額126億2,100万円は全国6位です。

さらに極端なのが、朝霞市・和光市・三郷市です。いずれも住民は10億円以上を寄付している一方、受入額は1億円に届いていません。

都心に通勤する人が多く所得水準の高い自治体ほど寄付額が大きくなりやすい一方、返礼品で選ばれる産品を持たなければ受入額は伸びません。県南の自治体にその傾向がはっきり出ています。

受入額が寄付額を上回る13自治体

63市町村のうち、受け取った額が出ていった額を上回っているのは13自治体だけです。

市町村受入額寄付額差
北本市13.0億円4.7億円+8.3億円
加須市12.5億円5.4億円+7.1億円
小鹿野町2.9億円0.2億円+2.7億円
羽生市4.6億円2.5億円+2.1億円
嵐山町2.0億円0.7億円+1.3億円
秩父市3.0億円2.2億円+0.8億円
美里町0.8億円0.4億円+0.4億円
吉見町1.0億円0.7億円+0.3億円
幸手市2.6億円2.3億円+0.3億円
川島町0.8億円0.7億円+0.1億円

このほか長瀞町・東秩父村・深谷市もわずかに上回っています。

そして県内で受入額が最も多いのは草加市の22.8億円。人口24万人規模の市としては際立った数字で、寄付額24.0億円とほぼ均衡しています。県内で唯一、大きな規模で「出た分を取り返している」自治体です。

2026年10月から制度が変わります

2026年3月31日に公布された地方税法の改正で、「寄附金活用可能額」という新しい基準が設けられました。適用は2026年10月1日に始まる指定対象期間からです。

自治体が受け取った寄付のうち、返礼品の調達費やポータルサイトへの手数料などを差し引いて実際に使える金額の割合に、下限を設けるものです。基準を満たさなければ、ふるさと納税の対象自治体として指定されません。

指定対象期間の開始必要な割合
2026年10月〜2027年9月52.5%以上
2027年10月〜2028年9月55%以上
2028年10月〜2029年9月57.5%以上
2029年10月以降60%以上

あわせて、寄付金の使い道を公表することも要件になりました。決算が議会の認定を受けたあと、各自治体のウェブサイトに掲載されます。

全国の集計では、募集に要した費用は受入額の47.9%でした。新基準はこの水準に段階的な締め付けをかけるもので、返礼品の内容や還元率が見直される自治体が出てくる可能性があります。

ポイント付与はすでに終わっています

2025年10月1日から、ポータルサイトが寄付に伴ってポイントを付与することは禁止されています(2024年6月28日の総務省告示による)。

「ポイント還元があるうちに」という前提の情報を見かけたら、それは古いものです。現在はどのサイトを使ってもポイントは付きません。

控除の仕組み

寄付額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から控除されます。

  • 所得税:(寄付額 − 2,000円)を所得控除。対象となる寄付額は総所得金額等の40%が上限
  • 住民税(基本分):(寄付額 − 2,000円)× 10%
  • 住民税(特例分):残りの全額。ただし所得割額の20%が限度

いわゆる「実質2,000円」で済むのは、この特例分の限度に収まる範囲までです。上限額は年収や家族構成によって変わるため、寄付する前に総務省やポータルサイトのシミュレーションで確認してください。上限を超えた分は自己負担になります。

ワンストップ特例を使う場合

確定申告をしなくても控除が受けられる仕組みですが、条件があります。

  • 確定申告が不要な給与所得者であること
  • 寄付先が5自治体以内であること
  • 同じ自治体に複数回寄付する場合はその都度申請が必要(自治体数のカウントは1つ)

つまずきやすい点

6自治体以上に申請すると、超えた分だけでなくすべての申請が無効になります。5自治体を超えそうな場合は、最初から確定申告を選ぶほうが安全です。

また確定申告をすると、提出済みのワンストップ特例の申請はすべて無効になります。医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をすることになった場合は、ふるさと納税分も申告書に含めてください。忘れると控除が受けられません。

申請書の提出期限は寄付先の自治体が案内しています。一般に翌年1月上旬が締切とされますが、扱いは自治体によって異なるため、必ず寄付先からの案内で確認してください。年末に寄付した分は書類の往復が間に合わないことがあるので、早めの手続きが確実です。

なお、寄付した翌年1月1日時点の住所が申請書の記載と変わっている場合は、1月10日までに変更届出を出す必要があります。年末年始に引っ越す予定がある方は注意してください。

年内に済ませるべきこと

その年の控除対象になるのは12月31日までに寄付が完了したものです。

「完了」の判定は決済方法によって変わります。クレジットカードなら決済日、払込取扱票や銀行振込なら入金日が基準になるのが一般的です。年末はポータルサイトも自治体の窓口も混み合うため、12月に入ってから慌てるより、早い時期に済ませるほうが確実です。

知っておきたいルール

  • 自分が住んでいる自治体に寄付しても、返礼品はもらえません。区域内に住所がある人への返礼品提供は、総務省の基準で禁止されています。さいたま市民がさいたま市に寄付する場合などが該当します
  • 返礼品は一時所得にあたります。年間50万円の特別控除があるため通常は課税されませんが、生命保険の一時金など他の一時所得がある年は合算して確認が必要です
  • 返礼品は寄付額の3割以下、かつその地域の産品であることが基準です

よくある質問

ふるさと納税は節税になりますか?

税金が安くなる制度ではありません。本来納める住民税の一部を、別の自治体に前払いで移す仕組みです。2,000円の自己負担が発生するため、金額だけを見れば支出は増えます。返礼品を受け取れる点が実質的なメリットにあたります。

上限額を超えるとどうなりますか?

超えた分は控除されず、全額が自己負担になります。寄付自体が無効になるわけではありませんが、想定より負担が大きくなります。

ワンストップ特例の申請書を出し忘れました

確定申告をすれば控除を受けられます。申請期限に間に合わなかった場合でも、翌年の確定申告で寄付金控除として申告してください。

共働きの場合、どちらが寄付すればよいですか?

控除の上限額はそれぞれの所得で決まるため、寄付する人の名義で申し込む必要があります。配偶者の名義で寄付した分は自分の控除には使えません。

地元に寄付すると街の役に立ちますか?

住んでいる自治体に寄付した場合、返礼品は受け取れませんが寄付そのものは可能です。ただし住民税の控除を受けると、結果としてその自治体の税収は減ります。地元を支援したい場合は、控除を受けずに寄付するという選択肢もあります。

まとめ

  • 埼玉県民の寄付額は721億1,000万円、県内自治体の受入額は143億6,300万円
  • さいたま市は寄付額が受入額の約21倍。朝霞市・和光市・三郷市は受入額が1億円未満
  • 受入額が寄付額を上回るのは63市町村中13。県内最多の受入は草加市の22.8億円
  • 2026年10月から「寄附金活用可能額」の基準が始まり、返礼品が見直される可能性がある
  • ワンストップ特例は5自治体以内。6自治体以上だと全部が無効になる

※金額は総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」をもとに集計し、億円未満を四捨五入しています。寄付額・利用者数は2026年度課税における控除適用状況、受入額は2025年度の実績です。制度の詳細や控除額の計算は、お住まいの市町村の税務担当課または税務署にご確認ください。

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