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埼玉のエスカレーター条例|歩くと違反?罰則と施行5年

埼玉県エスカレーター条例 施行5年 歩くと違反?罰則は? 左右両側に立ち止まろう くらし・行政

エスカレーターは歩かず、立ち止まって乗る。埼玉県はこれを利用者の「義務」として条例に書き込み、成立当時は日本初とみられる条例として報じられました。2026年10月1日で施行からちょうど5年。罰則はありませんが、県の調査では駅で立ち止まって乗った人は8割弱にとどまり、県はこの9月も大宮駅などで呼びかけを行いました。

結論:埼玉県内のエスカレーターは、駅でも商業施設でも「立ち止まって乗る」のが条例上の義務です。歩いて乗るのはこの義務に反しますが、罰則はなく、罰金や取り締まりの対象にはなりません。県が勧めているのは片側を空ける乗り方ではなく、左右両側に立ち止まる乗り方です。右側に立っても違反ではありません。

埼玉県エスカレーター条例の要点。2021年10月1日施行、利用者は立ち止まった状態で乗る義務、管理者は周知の義務、罰則なし。立ち止まって乗った人は駅76.9%、小売店舗90.2%、宿泊施設93.0%、公共施設91.8%で、駅だけ13〜16ポイント低い
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条例には何が書いてある?

正式名称は「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」です。県議会の議員提案による条例として2021年3月30日に公布され、同年10月1日に施行されました。全7条の短い条例で、県・県民・関係事業者それぞれの責務を定めたうえで、利用する人と、エスカレーターを管理する人の義務をはっきり書いているのが特徴です。

正式名称埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例(令和3年条例第12号)
公布2021年(令和3年)3月30日
施行2021年(令和3年)10月1日
利用者の義務(第5条)立ち止まった状態でエスカレーターを利用する
管理者の義務(第6条)立ち止まって利用するよう利用者に周知する
知事ができること周知について管理者に指導・助言・勧告
罰則なし
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歩いて乗ったら罰金になる?

なりません。条例には罰則の規定がなく、歩いて乗った人が罰金や過料を取られることはありません。知事が指導や勧告をできる相手も、駅や店舗などエスカレーターの管理者で、利用者個人ではありません。

つまりこの条例は、取り締まるためのものではなく「エスカレーターは立ち止まって乗るもの」という考え方を県のルールとして示し、駅や店に周知を求める仕組みです。駅のステップに貼られたシールや、手すり付近のポスターは、管理者がこの周知の義務を果たしている例と考えると分かりやすいでしょう。

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なぜ右側を空けてはいけないの?

埼玉県内でも、左側に立って右側を歩く人のために空ける乗り方が長く続いてきました。県がこれをやめて「左右両側に立ち止まろう」と呼びかけている理由は二つあります。

一つ目は歩く人自身と周りの安全です。県は施行1周年の2022年の発表で、エスカレーター上での歩行はバランスを崩して自分が転ぶ原因になるだけでなく、すれ違いざまの接触でほかの人を転ばせる原因にもなると説明しています。

二つ目は、右側の手すりにしかつかまれない人がいることです。県は、けがや障害などの事情で右側の手すりにしかつかまれない人や子ども連れの人を挙げ、右側を空ける乗り方ではこうした人が右の手すりをつかみにくくなり、転倒などの事故につながるおそれがあるとしています。両側に人が立つのが当たり前になれば、こうした人も気兼ねなく右側の手すりを握れます。

5年でどこまで定着した?

県は毎年度の県政世論調査で、条例の認知度と、実際に立ち止まって乗ったかどうかを調べています。2025年12月の県議会での答弁によると、2025年度(令和7年度)の調査で「条例を知っている」と答えた人は68.9%。施行から4年足らずで、県民のおよそ3人に2人が知る条例になりました。

注目したいのは、場所による差です。同じ2025年度の調査で、立ち止まって乗ったと答えた人の割合は次のとおりでした。

駅76.9%
小売店舗90.2%
宿泊施設93.0%
公共施設91.8%

商業施設やホテル、公共施設では9割を超えているのに、駅だけが13〜16ポイント低い。県も2026年8月の発表で、駅では朝夕の通勤・通学時間帯を中心に右側を歩く人が多いと説明しています。急いでいる人が多い場所ほど習慣が残っている、というのが5年後の現状です。

2026年はどこで呼びかけた?

こうした状況を受けて、県は2026年8月28日、9月に県内主要駅でキャンペーンを行うと発表しました(参加者などは発表時点の予定です)。いずれも朝8時から30分間、啓発品を配りながら「左右両側に立ち止まって乗る」よう呼びかける内容です。

2026年9月の駅キャンペーン(県の発表)
  • 9/2(水)
    東川口駅
  • 9/8(火)
    浦和駅

    浦和商業高校、伊勢丹浦和店、浦和パルコなども参加予定

  • 9/11(金)
    所沢駅
  • 9/16(水)
    熊谷駅
  • 9/18(金)
    八潮駅
  • 9/28(月)
    大宮駅西口イベントスペース

    知事・県議会議長、大宮開成高校の生徒、文京学院大学の学生、JR東日本・東武鉄道・埼玉新都市交通などが参加予定

ふじみ野駅については、8月28日の発表時点では日程を調整中とされていました。大宮駅では、エスカレーター上で右側にも立ち止まってもらうよう直接働きかけることも予定されていました。

埼玉以外にも同じ条例はある?

あります。名古屋市が「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を2023年10月1日に施行し、右側か左側かを問わず立ち止まって乗ることを利用者に求めています。埼玉から名古屋へ出張や旅行に行くときも、同じ乗り方で問題ありません。

よくある質問

県外から来た人や観光客も対象?

条例は県民に限らず「エスカレーターの利用者」の義務として定めています。県外の人も、埼玉県内のエスカレーターでは立ち止まって乗るのが原則です。罰則がない点も同じです。

駅以外のエスカレーターも対象?

対象を駅に限る規定はなく、県の調査も駅・小売店舗・宿泊施設・公共施設を対象にしています。ショッピングモールや市役所のエスカレーターでも、立ち止まって乗るのが条例の考え方です。

駅や店が周知していなかったらどうなる?

管理者には周知の義務があり、知事は管理者に対して指導・助言・勧告ができます。周知が足りないと感じたときは、県民生活部消費生活課(総務・企画調整担当 048-830-2938)が担当窓口です。

条文の全文や、県が配布しているポスター・ステップ用シールのデータは県のページで確認できます。

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