2日間で約66万人が訪れる、埼玉県最大級の祭り。ユネスコ無形文化遺産「川越氷川祭の山車行事」として知られる川越まつりは、2026年は10月17日(土)・18日(日)に開催されます。
この記事は、川越まつり公式サイトが公開した令和8年度の詳細情報をもとに、日程・見どころ・山車29台の一覧・混雑の実態までをまとめた実用ガイドです。
2026年のスケジュール
| 行事 | 日時 | 内容 |
|---|---|---|
| 神幸祭 | 17日(土)13:00 出御 14:30頃 還御 |
氷川の神様が神輿で町を巡行する、山車行事の原型となった儀式 |
| 宵山 | 17日(土)18:00〜19:00頃 | 山車に提灯が灯り、居囃子を披露。じっくり見るならここ |
| 市役所前 山車巡行 | 18日(日)13:30〜16:00頃 | 一か所で多くの山車を見られる |
| 曳っかわせ | 17日(土)・18日(日) 時刻の指定なし |
最大の見どころ。特に夜が最高潮 |
各山車はこのスケジュールに限らず曳行されているため、交通規制の範囲内なら随所で山車を見ることができます。
2026年の変更点
市役所前の「山車揃い」は行われません。18日の市役所前は巡行のみとなります。過去の情報を見て出かけると期待とずれるので注意してください。
最大の見どころ「曳っかわせ」
山車どうしが出会うと正面を向き合わせ、囃子の競演が始まります。これが曳っかわせです。
夜の曳っかわせでは、曳き手が提灯を高く掲げ、囃子方への声援が飛び交い、祭りのムードが最高潮に達します。川越まつりを一度だけ見るなら、ここを狙うべきです。
曳っかわせに開始時刻はありません。山車が偶然出会った場所で自然に始まるためです。だからこそ公式スケジュールに時刻が載っていません。
遭遇率を上げるには、山車が集まりやすい交差点(札の辻、本川越駅前、連雀町交差点、市役所前)で待つのが定石です。次に説明する公式アプリを使えば、山車の位置をリアルタイムで追えます。
公式アプリ「川越まつりナビ」が実用的です
川越まつり協賛会が提供する無料アプリです。
- 参加山車のリアルタイムな位置情報を地図上に表示
- トイレ・休憩所・臨時駐車場などの会場案内
29台が広い規制区域内を動き回るため、地図なしで目当ての山車を探すのはほぼ不可能です。当日は電波が混み合うので、出発前にダウンロードしておくことをおすすめします。
どれくらい混むのか(実数データ)
川越まつり協賛会が毎年発表している来場者数です。
| 年 | 土曜 | 日曜 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 約35万9千人 晴のち曇 |
約30万2千人 曇のち雨 |
約66万1千人 |
| 令和6年(2024) | — | 約73万8千人 | |
2025年は前年より約7万7千人減りましたが、日曜が雨だったことが大きく影響しています。単純に人気が落ちたわけではありません。
読み取れるのは次の点です。
- 1日あたり30万人以上が川越の中心市街地に集まります。相当な人出を覚悟してください
- 2025年は土曜のほうが多かったものの、日曜が雨天だったため曜日による差は断定できません
- 天候の影響が非常に大きい。雨予報の日は人出が数万人単位で減ります。混雑を避けたいなら、あえて雨の日を狙う手もあります
山車29台の一覧
川越の山車は「江戸系川越型」と呼ばれます。現在29台が登録されています。
| 山車 | 人形 | 制作年 |
|---|---|---|
| 仲町 羅陵王 | 羅陵王 | 文久2年(1862) |
| 志多町 弁慶 | 弁慶 | 江戸末期(伝) |
| 今成 鈿女 | 天鈿女命 | 江戸末期 天保年間(伝) |
| 幸町 小狐丸 | 小狐丸(小鍛冶) | 明治初年(伝) |
| 幸町 翁 | 翁 | 明治3年(1870) |
| 元町二丁目 山王 | 山王 | 明治4年(1871) |
| 大手町 鈿女 | 天鈿女命 | 明治5年(1872) |
| 六軒町 三番叟 | 三番叟 | 明治21年(1888) |
| 喜多町 秀郷 | 俵藤太(藤原秀郷) | 明治30年(1897) |
| 三久保町 賴光 | 源賴光 | 明治30年頃 |
| 松江町二丁目 浦嶋 | 浦嶋太郎 | 大正4年(1915) |
| 通町 鍾馗 | 鍾馗 | 昭和2年(1927) |
| 中原町 河越太郎重賴 | 河越太郎重賴 | 昭和23年(1948) |
| 末広町 髙砂 | 住吉大明神 | 昭和25〜34年 |
| 松江町一丁目 龍神 | 龍神 | 屋台:昭和26年/山車:昭和63年 |
| 宮下町 日本武尊 | 日本武尊 | 昭和27年(1952) |
| 連雀町 道灌 | 太田道灌 | 昭和27年(1952) |
| 西小仙波町 素戔嗚尊 | 素戔嗚尊 | 昭和32年(1957) |
| 元町一丁目 牛若丸 | 牛若丸 | 昭和34年(1959) |
| 脇田町 家康 | 徳川家康 | 昭和57年(1982) |
| 野田五町 八幡太郎 | 八幡太郎義家 | 平成2年(1990) |
| 仙波町 仙波二郎安家 | 仙波二郎安家 | 平成2年(1990) |
| 川越市 猩猩 | 猩猩 | 平成2年(1990) |
| 岸町二丁目 木花咲耶姫 | 木花咲耶姫 | 平成6年(1994) |
| 新富町二丁目 鏡獅子 | 鏡獅子 | 平成8年(1998) |
| 菅原町 菅原道眞 | 菅原道眞 | 平成12年(2000) |
| 新富町一丁目 家光 | 徳川家光 | 平成13年(2001) |
| 旭町三丁目 信綱 | 松平伊豆守信綱 | 平成14年(2002) |
| 南通町 納曾利 | 納曾利 | — |
制作年順に並べました。最も古い仲町の羅陵王は文久2年(1862年)、幕末の作です。一方で平成に入ってから加わった山車も多く、200年近い幅があります。
なお29台すべてが毎年出るわけではありません。その年の参加山車は公式パンフレットで発表されます。
山車の構造がおもしろい
川越の山車には、他ではあまり見られない仕掛けがあります。
四ツ車または三ツ車と台座(せいご台)の上に二重のあんどん(鉾)を組み、上層の部分と人形が迫りあげ式のエレベーター構造になっています。
これは城の門をくぐる際に伸び縮みできるようにした仕掛けです。川越城の城下町という土地の事情が、そのまま山車の形になっています。
さらに多くの山車は、せいご台の上で360度水平回転する回り舞台になっています。曳っかわせで山車が正面を向き合わせられるのは、この構造があるからです。
見比べるときは、鉾に張られた刺しゅう幕に注目してください。人形の主題にちなんだデザインになっているものが多く、同じように見える山車でも細部が違います。
お囃子は3流派
山車の前部にある囃子台で、囃子連が囃子と舞を披露します。編成は舞1人・笛1人・小太鼓2人・大太鼓1人・鉦1人。
市内では王蔵流・芝金杉流・堤崎流の3流派が多く見られます。いずれも江戸の囃子の流れを汲むものです。曳っかわせで競演になったとき、流派が違えば囃子の雰囲気も変わります。
アクセスと交通規制
交通規制は両日10:00〜22:00
市内中心部が車両通行禁止になります。12時間におよぶ大規模な規制です。
注意点として、自転車に乗って通行することもできません。規制区間では自転車を押して通行する必要があります。
電車が確実です
| 大宮から | JR川越線で約20分/川越駅 |
|---|---|
| 池袋から | 東武東上線 急行で約30分/川越駅 |
| 新宿から | JR埼京線 快速で約50分/川越駅 西武新宿線 特急で約44分/本川越駅 |
| 横浜から | 東急東横線・東京メトロ副都心線で約78分/川越駅 |
車で行く場合
臨時駐車場が用意されます。両日とも8時30分〜22時(23時に施錠)。ただし川越第一中・仙波小・富士見中・月越小はグラウンドの状態によっては利用できない場合があります。
駐輪場は川越市役所北側の観光バス乗降場と中央小の2か所、同じく8時30分〜22時です。
子ども連れで行く場合
授乳・おむつ替えができる「赤ちゃんの駅」が市内各所に設けられます。
| 川越まつり会館 | 9:30〜19:30 |
|---|---|
| 元町休憩所 | 9:30〜21:30 |
| 旧山崎家別邸 管理棟 | 9:30〜21:30 |
| やまぶき会館 | 9:00〜21:30 |
| クラッセ川越 | 9:30〜21:30 |
| 小江戸蔵里 | 10:00〜21:00 |
| 中央図書館 | 9:30〜18:00 |
| 川越市立博物館/美術館 | 9:00〜17:00 |
利用するときは各施設の職員に声をかけてください。
守るべきルール
- ドローンなど小型無人機の使用は法律により原則禁止です
- 会場内を歩くときは立ち止まらず左側を通行してください
- 歩行喫煙は禁止。決められた喫煙所を利用してください
- ベビーカーや車いすを使う方への配慮をお願いします
378年続く祭りです
川越まつりは、10月14日に川越氷川神社が執行する例大祭を根源とし、その直後に行われる神幸祭と山車行事から成り立っています。
始まりは慶安元年(1648年)。当時の川越藩主・松平伊豆守信綱が氷川神社に神輿・獅子頭・太鼓などを寄進し、祭礼を奨励したことがきっかけでした。
その信綱自身が、現在は旭町三丁目の山車の人形になっています。祭りを始めた人物が、378年後に山車の上から町を見ている構図です。
よくある質問
1日だけ行くなら土曜と日曜どちらがいいですか?
夜の曳っかわせを見たいなら、宵山(17日18:00〜)のある土曜です。一か所で多くの山車を見たいなら、市役所前巡行(18日13:30〜)のある日曜です。曳っかわせ自体は両日行われます。
雨でも開催されますか?
2025年も日曜が雨天でしたが開催されました。ただし山車は貴重な文化財のため、雨脚によっては曳行の内容が変わることがあります。当日の公式発表を確認してください。
屋台は出ますか?
会場内に屋台村が設けられます。位置は公式の会場案内マップで確認できます。
何時頃に行けばいいですか?
交通規制が10時からなので、山車の動きが本格化するのはそれ以降です。夜の曳っかわせを目当てにするなら、夕方に入って宵山から続けて見るのが効率的です。
祭りの日以外に山車は見られますか?
蔵造りの町並みにある「川越まつり会館」で、実際に曳かれる本物の山車2台を入れ替えながら常設展示しています。囃子の実演日もあります。
まとめ
- 2026年は10月17日(土)・18日(日)開催
- 最大の見どころは夜の曳っかわせ。時刻は決まっていないのでアプリで山車を追う
- 今年は市役所前の山車揃いは行われません
- 山車は全29台。最古は文久2年(1862)の仲町・羅陵王
- 交通規制は両日10:00〜22:00。電車で行くのが確実
※この記事は2026年9月時点の川越まつり公式サイトの公表情報をもとにしています。スケジュールや交通規制は変更となる場合があります。最新情報は主催者の発表をご確認ください。

