さいたま市緑区大崎に「さいたま市農業交流公園」が2027年(令和9年)4月に開園する予定です。面積4.7ヘクタール、市内産の農産物直売所と飲食施設が入り、運営は民間が20年間担います。整備工事はすでに始まっていて、開園まで半年あまり。直売所に商品を納めたい事業者向けの説明会が、9月26日(土)と10月1日(木)に開かれます。
「大崎農業交流公園」ではありません
この公園を「大崎農業交流公園」と書いている情報を見かけますが、これはさいたま市の名称ではありません。市の公式ページはすべて「さいたま市農業交流公園」で、計画段階に付いていた「(仮称)」も現在は外れています。
では「大崎農業交流公園」はどこから来たのか。市が2024年4月に公表した事業者の選定結果を見ると、この公園の整備・運営に応募した2者のうち、選ばれなかったほうの企業体の名前が「大崎農業交流公園ネットワーク共同企業体」でした。所在地が緑区大崎なので、この名前が公園そのものの名前として広まったとみられます。近隣の農園の公式サイトにもこの表記が使われています。
4.7ヘクタールに何ができるのか
市が公表している主な施設は、緑の広場、遊具、温室、野外植物園、飲食施設、直売所です。このうち飲食施設と直売所は「公募対象公園施設」、つまり民間が整備して運営する施設にあたります。
中核になるのが床面積1,000平方メートルほどの「農業交流施設」で、市の要求水準書には内訳が示されています。
| 機能 | 想定する広さ |
|---|---|
| 研修室・多目的スペース | 300平方メートル程度 |
| 売店(直売所) | 270平方メートル程度(店舗170+バックヤード100) |
| インフォメーション・事務 | 150平方メートル程度 |
| トイレ・共用部 | 150平方メートル程度 |
| 飲食施設 | 130平方メートル程度 |
駐車場は普通車120台と大型バス5台程度を想定。このほか調整池が2,500立方メートル程度、倉庫が180平方メートル程度です。公園全体では緑化率50パーセント以上を確保するとされています。建物は木造で計画され、整備費には国庫補助金のほか森林環境譲与税の活用を検討すると市は説明しています。
事業者の提案では、飲食施設・売店・会議研修室を一つの建物にまとめ、屋外カフェやイベントに使える「多目的アーケード」を設ける構成です。園内は農業見学ゾーン、多目的広場ゾーン、ピクニック広場ゾーン、植物園ゾーンなどに分けられます。
コンセプトは「ヨーロッパ野菜」
事業者の提案概要には、市内産の農産物、とくにヨーロッパ野菜をフックにして、買い物・食事・遊び・学習ができる場にするとあります。「見沼アーバンアグリカルチャーパーク」という構想名も掲げられています。周辺の生産者と組んだ年間を通じた農業体験プログラムやツアー、市内産農産物を使ったそば・うどんなどの軽食も提案に含まれています。
整備と運営は民間が20年
この公園はPark-PFI(公募設置管理制度)という仕組みで整備されます。民間事業者が収益施設を整備・運営し、その収益で公園の整備費の一部をまかなう制度です。さいたま市では与野公園でも使われた方式です。
事業者は「エディブルシティさいたまJV」。代表法人はさいたま市南区鹿手袋のシン建工業株式会社で、アイル・コーポレーション株式会社と株式会社ヘッズ東京本社が構成法人に入っています。指定管理の期間は2027年4月1日から2047年3月31日までの20年間です。
選定は2024年2月と3月の委員会で行われました。応募は2者。公園施設の建設費の提案額は、エディブル側が13億1,660万円、大崎側が13億1,640万円とほぼ同額でしたが、総合得点は220点満点でエディブル側169.5点、大崎側151.1点。配点のなかに「対話参加へのインセンティブ付与」という20点の項目があり、ここはエディブル側20点、大崎側0点でした。指定管理料の提案額は20年間で13億2,000万円(市の上限は13億2,600万円)です。
直売所に出したい人向けの説明会が9月26日
公園内にオープンする農産物直売所に、農産物や加工品を納めたい事業者向けの説明会が開かれます。
- 2026年9月26日(土)15時〜17時
- 2026年10月1日(木)17時30分〜19時30分
2回とも同じ内容で、事前の申し込みは不要です。会場はゆーぱるひざこ(健康福祉センター東楽園)集会室、さいたま市見沼区膝子984番地。公園の所在地は緑区ですが、説明会の会場は見沼区なので間違えないでください。
今、現地はどうなっているか
建設地はさいたま市園芸植物園と農業者トレーニングセンターの敷地です。園芸植物園のうち展示温室と花き集荷施設は、この公園の整備のため2025年5月31日で閉館しました。一方、花木園は通常どおり営業しています。
工事の影響で園芸植物園の出入口は西門(緑の広場駐車場付近)、西中門、北門(見沼代用水東縁沿い、公園橋寄り)の3か所に限られ、園内から南側の国道463号方面へは通り抜けできません。農業者トレーニングセンターの敷地内も園路が一部通行止めです。
花木園の開園時間は9時から16時、休園日は毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)と12月29日から1月3日まで。所在地は緑区大崎3156-1です。浦和駅東口1番バス乗り場から国際興業バスの大崎園芸植物園行き、東川口駅北口行き、浦和美園駅行きのいずれかに乗り、「大崎園芸植物園」下車徒歩5分です。
まだ決まっていないこと
開園前なので、公式に確認できない点がいくつかあります。記事にする側も混同しやすいので、現時点での状況を書いておきます。
- 体験農園:市の施設概要にも要求水準書にも記載がありません。事業者の提案には農業体験プログラムの実施が含まれますが、常設の体験農園があるとは書かれていません
- 道の駅ではありません:さいたま市の道の駅は別の事業で、基本構想の予定地は見沼区宮ケ谷塔です。県内の道の駅は21カ所で、この公園はそこに入りません
- 浦和美園駅・埼玉スタジアムとの関係:市の資料に、美園地区のまちづくりとこの公園を関連づけた記述は見当たりません。市が連携先として挙げているのは、隣接する大崎公園、周辺の市民農園・観光農園、見沼ヘルシーランド、浦和くらしの博物館民家園です
- 直売所の営業時間や定休日:未発表です
よくある質問
いつ開園しますか。
2027年(令和9年)4月の予定です。市は一貫して「予定」と書いています。設計・整備の期間は2024年7月ごろから2027年3月末までとされています。
場所はどこですか。
さいたま市緑区大字大崎87-1ほか。現在の園芸植物園・農業者トレーニングセンターの敷地です。
今も園芸植物園には行けますか。
花木園は営業しています。ただし展示温室は2025年5月に閉館し、出入口も3か所に限られています。
問い合わせ先は。
さいたま市経済局農業政策部農業政策課、電話048-829-1376です。
この記事の確認日
2026年9月23日に、さいたま市の公式ページ(最終更新2026年8月27日の施設概要、同9月20日の園芸植物園ページ)と、2024年4月8日の記者発表、選定結果および公募設置等要求水準書で確認しました。開園日や施設の内容は今後変わる可能性があります。

