ひとことで言うと:宇都宮線・高崎線の方面から羽田空港へ乗り換えなしで行ける「東山手ルート」は、2031年度の開業予定で工事が進んでいます。大宮からは約49分という概算があります。一方、埼京線・川越線につながる「西山手ルート」は開業時期が決まっていません。停車駅や運賃も未発表です(2026年11月3日時点)。
早朝のフライトに合わせて、荷物を抱えて浜松町でモノレールに乗り換える。埼玉から羽田を使うときのこの手間が、なくなるかもしれません。ただし恩恵は埼玉の中でも沿線によって大きく違います。「羽田アクセス線」は1本の路線ではなく、ルートの異なる計画の総称だからです。
この記事では、東京駅起点の説明が多い情報を、埼玉の沿線ごとに並べ直しました。自分の最寄り駅で何が変わりそうかを確かめてみてください。
自分の沿線は直通になる?埼玉の路線別に確認
JR東日本の発表では、新線の直通先は宇都宮線・高崎線・常磐線の方面です。ただ、どの駅に止まるのか、どの列車が羽田へ向かうのかは明らかにされていません。下の表の「今わかること」は、そのつもりで読んでください。
| 沿線 | 計画の位置づけ | 今わかること |
|---|---|---|
| 高崎線・宇都宮線(大宮・浦和・上尾・久喜など) | 東山手ルートの直通方面 | 2031年度予定。停車駅と本数の配分は未発表 |
| 埼京線・川越線(武蔵浦和・川越など) | 西山手ルートの構想 | 開業時期は未定。JRは中長期の事業と説明 |
| 武蔵野線(南浦和・新座など) | 直通の計画は確認できず | 臨海部ルートとの乗り換えなどは未発表 |
| 東武スカイツリーライン・伊勢崎線 | 久喜などでの直通が構想として語られる | 決定した計画は確認できず |
| 東武東上線・西武線 | 直通の計画は確認できず | 都心で乗り換える点は変わらない |
大宮から何分になる?今との違い
開業後の数字として今確認できるのは、2021年に乗りものニュースが示した目安で、普通列車で羽田空港新駅(仮称)まで大宮から約49分、赤羽から約34分というものです。今の電車は早朝の検索例で約70〜77分なので、20分以上短くなる計算です。

分数以上に大きいのは、乗り換えがなくなることかもしれません。スーツケースを持って階段やエスカレーターを移動する負担が消えれば、大宮駅西口などから乗り換えなしで行ける空港連絡バス(大人2,000円、空港行き約2時間15分)との比べ方も変わってきます。ただバスは座って移動でき、第3ターミナルにも直接着きます。運賃も混雑の程度も分からない今、どちらが得とは言い切れません。
本数は、2021年の国の許可の時点で片道1日72本、1時間に約4本(アクセス新線としての計画)です。これを宇都宮線・高崎線・常磐線の方面でどう分けるかは決まっていません。大宮から1時間に何本乗れるのかは、今後のダイヤ発表を待つことになります。
工事は今どこまで進んでいる?
2021年の許可の時点で2029年度とされていた開業は、2023年の工事着手の発表で2031年度になりました。その後、2026年5月の報道では「計画どおり進捗」とされていて、新たな延期の発表は確認できませんでした。
- 2021年1月新線の鉄道事業許可
東京貨物ターミナルから羽田空港新駅までの約5.0kmです。
- 2023年6月起工式
工事延長は約12.4km、概算工事費は約2,800億円と発表されました。
- 2024年4月高輪築堤の保存方針
田町付近で見つかった遺構を約100m現地に残すよう計画を変えました。
- 2025年4月田町駅付近で線路切換
既存の線路を活用する部分の工事です。
- 2026年8月埼玉の協議会で報告
JR川越線の利便性向上を話し合う協議会で、JR東日本が計画の概要を説明しました。
- 2031年度東山手ルートの開業予定
臨海部ルートとの同時開業をめざして協議中と報じられています。
川越線・埼京線の沿線は、なぜ直通の時期が決まらない?
西山手ルートは、線路のない大井町付近から東京貨物ターミナル付近までに新しい短絡線を作り、地下のりんかい線のトンネルにつなぐ必要があります。乗りものニュースによると、JR東日本は2026年3月にこのルートを中長期の事業と位置づけ、解決すべき課題が多く残っていると説明しました。
2026年8月20日の第5回JR川越線利便性向上推進協議会では、埼玉県が事業化に向けた検討の加速を求め、さいたま市や川越市からも早期の実現を望む発言が出ています。ただ、協議の場で新しい日程が示された記録は確認できませんでした。川越や武蔵浦和の方は、当面は今の乗り換えが続く前提で考えるのが現実的です。
国際線の人が見落としやすいのは?
注意:新駅は第1・第2ターミナルの間にできる計画です。国際線が中心の第3ターミナルへ直接つながるわけではなく、東京モノレールとの乗り換えを便利にする方針と報じられています。具体的な方法は未発表のため、国際線の方は開業後も乗り換えの可能性を見ておきましょう。
よくある質問
Q. 大宮〜羽田の運賃はいくらになりますか?
未発表です。今の大宮〜モノレール経由の第1ターミナルは片道1,140円(ICは1,135円)で、これが基準になるとは限りません。
Q. 特急やグリーン車は走りますか?
運行形態は発表されていません。
Q. 開業はこれ以上遅れないのですか?
今のところ2031年度の予定に変更の発表はありませんが、大きなトンネル工事が残っており、確約されたものではありません。
鉄道の計画は川口駅の上野東京ライン停車やつくばエクスプレス8両化も動いています。大宮駅周辺の変化はGCS構想の記事で読めます。
この記事の出典(2026年11月3日確認)
- JR東日本:本格的な工事の着手(2023年4月4日)、高輪築堤の保存など(2024年4月15日)
- 国土交通省 鉄道事業許可(2021年1月20日)
- 埼玉県 JR川越線利便性向上推進協議会(2026年8月20日):議事概要、JR東日本の資料
- 乗りものニュース:2021年1月23日(駅ごとの概算)、2026年4月23日(西山手ルート)、2026年5月28日(進捗)、2024年10月30日(東武線の直通構想)
- 西武バス 大宮羽田線、東京空港交通
- 駅探 大宮〜羽田空港第1ターミナル(2026年11月4日早朝発の検索)

