JR川口駅西口のすぐそばに誕生する川口市立美術館。そのグランドオープンを飾る開館記念特別展「蜷川実花展 はじまりの光」が、2026年9月12日(土)から11月29日(日)まで開催されます。
写真家・映画監督・現代美術家として活躍する蜷川実花さんにとって、川口市は父である演出家・蜷川幸雄さんの出身地であり、自身も幼少期を過ごした場所です。そんな「創作の原風景」ともいえる川口で開かれる、特別な個展となっています。
「蜷川実花展 はじまりの光」とは?
近年の蜷川さんは、クリエイティブチーム「EiM(エイム)」とともに大規模なインスタレーションを手がけてきました。今回の展覧会では、あえてその表現から離れ、創作活動の出発点である「写真」を軸に構成されているのが大きな特徴です。
映像作品や家族の記憶も織り交ぜながら、一瞬の光の中に閉じ込められた世界と記憶の輪郭を描き出す内容。川口という土地だからこそ実現した展覧会といえます。
第一章:「写真」に研ぎ澄ませた表現
展覧会は2つの章で構成されています。第一章は「写真」が軸。9月9日に行われた記者発表会で蜷川さんは、得意とする色彩をいったん手放し、「良い」と思える写真だけに絞り込んだ結果がこの展示になったと語りました。さまざまな表現に取り組んできた今だからこそできた挑戦だそうです。
第二章:家族との記憶に迫るインスタレーション
第二章は、蜷川さんの表現世界に大きな影響を与えた家族との記憶がテーマです。主な展示は次のとおりです。
- 当時の気配をそのまま宿す蜷川幸雄さんの書斎の移設展示
- 元女優でキルト作家の母・蜷川宏子さんのキルト作品
- 若き日の両親が写るアルバムを蜷川さん自ら複写した新シリーズ『First Light』
蜷川さんは、父が亡くなってから10年間、書斎はずっとそのままにしていたと明かしています。川口というゆかりの地での展覧会をきっかけに、自然な形で父や自身のルーツと向き合えたとのことです。
川口は「創作の原点」――幼少期の記憶
記者発表会には、岡村ゆり子川口市長、川口市立美術館の建畠晢館長も登壇しました。
蜷川さんは川口での一番大きな体験として、酉の市で感じた怪しくも惹きつけられるお祭りの風景や、神社に並ぶ露店の不思議な世界観を挙げています。当時父が手がけていた舞台とも重なり、創作と現実の境界があいまいになるほどの強烈な原体験になったそうです。
建畠館長も、これまで作品にすることを避けてきた「家族」や「プライベート」な領域が、今だからこそストレートに表現されていると評価しています。
開催概要|会期・開館時間・休館日
| 名称 | 川口市立美術館 開館記念特別展「蜷川実花展 はじまりの光」 |
|---|---|
| 会期 | 2026年9月12日(土)〜11月29日(日) |
| 開館時間 | 10:00〜18:00 ※10月・11月の第2・第4金曜日は夜間開館(20:00まで) |
| 休館日 | 月曜日(9月21日、10月12日、11月23日は開館)、9月24日、10月13日、11月24日 |
| 会場 | 川口市立美術館(埼玉県川口市川口3丁目1-2) |
| 主催 | 川口市 |
| 公式サイト | https://kawaguchi-moa.jp/ |
チケット料金はいくら?
前売・オンライン料金
- 一般:1,800円
- 大学生:1,300円
- 高校生:800円
- 中学生以下:無料
当日料金
- 一般:2,000円
- 大学生:1,500円
- 高校生:1,000円
- 中学生以下:無料
前売券は9月11日(金)まで、次の窓口で販売されています。
- 川口市役所第二本庁舎3階 文化推進室
- 川口総合文化センター・リリア 2階チケットセンター
- michinowa ネッツトヨタ東埼玉(イオンモール川口1階)
オンラインチケットは川口市立美術館のホームページで販売されます。詳細は公式サイトで確認してください。
中学生以下は無料なので、家族でのアート鑑賞にも利用しやすい料金設定です。10月・11月の夜間開館日なら、仕事帰りに立ち寄ることもできます。
川口市立美術館はどこにある?アクセスと施設の特徴
川口市立美術館は、JR川口駅西口から徒歩2分。川口総合文化センター・リリアの隣に、2026年9月にグランドオープンします。
鋳物産業をはじめとする「ものづくりのまち」として育まれた川口の歴史と創造性を未来へつなぎ、「継承」「共生」「育成」を理念に掲げる、新たな文化芸術の拠点です。
展示室のほかにライブラリー、ミュージアムショップ、レストランを備え、訪れた人が思い思いに過ごせる「公園のような美術館」を目指しています。展覧会だけでなく、ラーニングプログラムや地域との協働も予定されています。
蜷川実花さんのプロフィール
写真を中心に、映画、映像、空間表現も多く手がけるアーティストです。木村伊兵衛写真賞をはじめ数々の賞を受賞しています。
- 監督作品:映画『さくらん』(2007年)、『ヘルタースケルター』(2012年)、『Diner ダイナー』(2019年)など長編5本、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020年)
- 写真集は120冊以上を刊行、個展は150回以上、グループ展は130回以上
- 京都市京セラ美術館の個展「蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影」(2025年1月〜3月)では25万人を動員
- 2026年12月16日〜2027年3月21日には、フランス・パリのグラン・パレで大規模個展を開催予定
公式サイト:https://mikaninagawa.com/
まとめ|川口ゆかりの地で見る、蜷川実花の「はじまり」
川口市立美術館の開館記念特別展「蜷川実花展 はじまりの光」は、蜷川実花さんが自身と家族のルーツに向き合った、これまでになく個人的な展覧会です。
会期は11月29日(日)まで。川口駅から歩いてすぐの新しい美術館で、写真を軸にした表現と家族の記憶に触れてみてはいかがでしょうか。


