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行田の古代蓮はなぜ咲いた?|工事で目覚めた太古の種

池に咲く薄紅色の蓮の花と葉のイラスト。行田の古代蓮はなぜ咲いた?の文字 埼玉の歴史・文化・雑学

結論:行田の古代蓮は、1971年(昭和46年)に行田市で公共施設(ごみ焼却場)の造成工事をしたとき、地中から掘り出された蓮の種が、掘ったあとのくぼ地にたまった水の中で自然に芽を出したものです。1973年にその池で葉が見つかり、やがて花を咲かせました。種は約1,400〜3,000年前のものとされ、「行田蓮(古代蓮)」として行田市の天然記念物になっています。

いまは「古代蓮の里」(行田市小針)で、行田蓮を含む42種類・約12万株の蓮が6月中旬〜8月上旬に咲きます。花がいちばんきれいなのは朝7〜9時ごろです。蓮の季節が終わった秋は、展望室から見下ろす田んぼアート(見頃は10月ごろまで)が見どころです。

古代蓮がよみがえるまでの年表。1971年焼却場の工事で種が出土し発芽、1973年5月15日に葉を発見、1975年約1,400年前と測定、1995年古代蓮の里開園、2015年田んぼアートがギネス記録。見頃は6月中旬〜8月上旬、朝7〜9時

何百年、何千年も土の中で眠っていた種が、たまたま工事で地表近くに出てきて、雨水のたまった穴で目を覚ます。まるで物語のような話ですが、行田ではそれが本当に起きました。夏の早朝、古代蓮の里の池一面に広がる薄紅色の花は、その偶然から始まっています。

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古代蓮はどうやって見つかったの?

始まりは1971年(昭和46年)。いまの古代蓮の里の近くで、公共施設(焼却場)の造成工事が行われました。掘削で偶然出土した蓮の種子が、工事でできたくぼ地にたまった水を自生地として、自然に発芽したのです。

それから2年後の1973年(昭和48年)5月15日、焼却場の職員が、池に浮かぶ蓮の葉に気づきます。埼玉大学の江森貫一元教授らが調べ、古代の蓮であることを確かめました。工事がなければ種は地中で眠ったままで、職員が気づかなければ池は埋め立てられていたかもしれません。いくつもの偶然が重なって、太古の蓮はよみがえったわけです。

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本当に何千年も前の種なの?

年代の推定には、2つの方法が使われました。旅行情報サイト「たびこふれ」の解説によると、1973年に江森元教授は、いっしょに出土した縄文土器や、千葉県で発掘された「大賀ハス」の例を参考に、2,500〜3,000年前ごろと推定しました。一方、1975年に日本アイソトープ協会が測定した結果は、約1,400年前でした。

どちらか一方に決めず、いまは「約1,400年前〜3,000年前の蓮」とされています。花びらの数が少ない、原始的な形をしているのも特徴です。蓮の種は硬い殻に守られて長く生き続けることがあり、千葉の大賀ハスも約2,000年前の種から花を咲かせたことで知られます。

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古代蓮の里はどんな場所?

古代蓮の里は、行田蓮をシンボルにした公園として平成4〜12年度に整備されました。ふるさと納税サイトの行田市の紹介によると、開園は1995年、園内の古代蓮会館は2001年に開館し、年間来場者は約13万人にのぼります。

場所行田市小針(古代蓮会館:行田市小針沼通2375)
蓮の見頃6月中旬〜8月上旬(42種類・約12万株)
花のきれいな時間朝7〜9時ごろ
古代蓮会館大人400円・小人200円。通常9時〜16時30分。蓮の開花期は早朝から開館(文化施設情報サイトでは6月15日〜8月15日の平日7時、土日祝6時から)
休館日月曜(祝日は開館)、祝日の翌日、年末年始。蓮の開花期間は無休
行き方JR高崎線「行田」駅、秩父鉄道「行田市」駅から市内循環バスで「古代蓮の里」下車

古代蓮会館の展望室は高さ約50メートル。関東平野をぐるりと見渡せ、夏から秋は会館の東側の田んぼに描かれる「田んぼアート」を真上から眺められます。行田の田んぼアートは、2015年9月に「世界最大の田んぼアート」(2万7,195平方メートル)としてギネス世界記録に認定されました。農林水産省の広報誌によると、その年の作品には古代蓮や小惑星探査機「はやぶさ2」が描かれていました。

注意:開館時間は資料によって表記が分かれています。とくに開花期の早朝開館の時間は年によって変わることがあるので、出かける前に古代蓮の里の公式情報で確認してください。また、蓮の撮影では三脚の使用が禁止されています。

きれいに見るには何時に行けばいい?

蓮の花は朝に開き、昼過ぎにはしぼんでいきます。夏の古代蓮の里を楽しむなら、早起きが何よりの近道です。

夏の見頃に行く朝の例
  • 6:30
    古代蓮の里に到着(車)

    開花期の週末は早朝から人出が多い。涼しいうちに池を一周

  • 7:00
    いちばんの見頃

    花が開ききる7〜9時ごろ。行田蓮の池は園の中心

  • 9:00
    古代蓮会館の展望室へ

    高さ約50メートルから蓮池と田んぼアートを見下ろす

電車で行く場合は市内循環バスの始発時刻によって到着が遅くなるので、早朝に着きたいなら車かタクシーが現実的です。秋の今は蓮の季節ではありませんが、田んぼアートの見頃は7月中旬〜10月ごろとされ、10月ごろまでは展望室から眺められることがあります。稲刈りの時期は年によって違うので、見られるかどうかは古代蓮の里に確認してから出かけてください。行田の町歩きと組み合わせるのもおすすめです。

よくある質問

Q. 入園料や駐車場代はかかる?
有料なのは古代蓮会館(大人400円・小人200円)です。公園の利用や、開花期の駐車場の料金の扱いは年によって変わることがあるので、出かける前に古代蓮の里の公式情報で確認してください。

Q. 一番きれいな時期はいつ?
蓮の見頃は6月中旬〜8月上旬です。花は朝に開くので、時期とあわせて「朝7〜9時ごろ」をねらうのがいちばんの近道です。

Q. 古代蓮の種や苗は買える?
行田蓮は市の天然記念物です。持ち帰りや株分けについては勝手に行わず、古代蓮の里に問い合わせてください。

行田の歴史をもっと知る

参考:埼玉県「景観資源データシート 古代蓮の里」、たびこふれ「行田蓮(古代蓮)」「古代蓮の里」、インターネットミュージアム「古代蓮の里 古代蓮会館」、ふるさとチョイス「行田市」プロジェクトページ、農林水産省「aff」2019年7月号

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