SNSに三郷市の木津雅晟市長らについて虚偽の投稿をしたとして、名誉毀損の罪に問われた三郷市議の関根和也被告(46)に、さいたま地裁は11月6日、拘禁刑1年・執行猶予4年(求刑 拘禁刑1年)の判決を言い渡しました(テレ玉・埼玉新聞)。判決はまだ確定していません。執行猶予つきの判決だけで議員が自動的に職を失うわけではなく、控訴するかどうかと、市議会の対応が次の焦点です。
判決はどんな内容?
テレ玉と埼玉新聞によると、関根市議は2025年7月から12月にかけて、SNSに計23回、市長が公共事業の入札をめぐる事件に「関与した」などと投稿し、名誉を傷つけたとされました。埼玉新聞によると、対象は市長ら4人です。
埼玉新聞によると、増尾崇裁判官は判決理由で「常習的で執拗(しつよう)な犯行」と指摘しました。市議という立場を明らかにして投稿したことで「より真実味を持って受け止められる危険性が高かった」とも述べています。テレ玉は、裁判官がうわさなどの断片的な情報をもとに根拠を確かめずに投稿したと指摘し、関根市議が今後の更生を誓っていることなどを考えて執行猶予をつけたと伝えています。
判決を受けた関根市議と木津市長のコメントは、テレ玉・埼玉新聞の記事には載っていません(11月7日夕方に確認)。
市議の職はどうなる?
判決が確定しても、執行猶予つきの判決だけで議員が自動的に職を失うわけではありません。神奈川新聞(2016年7月16日)は、葉山町議の例で「公選法では、執行猶予中の議員は自動失職とならない」と伝えています。公職選挙法11条は、選挙に関する犯罪で拘禁刑に処せられた場合や、公職にある間の収賄罪で刑に処せられた場合は、執行猶予中でも選挙権・被選挙権がないと定めていますが、今回の罪は名誉毀損です(浜松市選挙管理委員会の解説も参照)。
一方、三郷市議会がこの判決を受けて何らかの対応をとるかは、11月7日夕方の時点の報道では伝えられていません。関根市議はいったん市議会の除名で職を失い、県の審決で復帰した経緯があります(下の経緯を参照)。
判決はいつ確定する?
刑事訴訟法では、控訴できる期間は14日です。判決の翌日から数えると、期限は11月20日(金)になります(編集部の計算)。この期間に検察・被告のどちらも控訴しなければ判決は確定します。控訴するかどうかは、11月7日夕方の時点で報じられていません。
ここまでの経緯は?

埼玉県の発表(2026年7月10日)によると、三郷市議会は2025年9月に関根市議への辞職勧告決議を可決し、12月3日には、本会議で市長に対し「官製談合」という言葉を使って発言したことや、市役所の窓口での言動などを理由に除名を可決しました。共同通信によると、関根氏はこのとき「除名は言論弾圧であり、認めない」と話していました。
関根氏の申し立てを受けた県知事は2026年7月10日、議会の外での言動を考えて除名という重い処分を選んだのは裁量の範囲を超えて違法だとして、除名を取り消しました。関根氏は処分の日にさかのぼって市議に戻りました。審決は一方で、市長について「官製談合」という言葉を選んだことは「著しく不適切」とも付け加えています。佐々木修議長は「議会としては、この審決を真摯(しんし)に受け止めております」とコメントしました(埼玉新聞)。
職員への暴言をめぐっては、県警が2025年11月7日に威力業務妨害の疑いで書類送検しましたが、さいたま地検は2026年7月10日に起訴猶予としています(埼玉新聞)。
SNSの投稿で名誉毀損になるのはどんなとき?
刑法230条は、公然と具体的な事実を示して人の名誉を傷つけると、その事実が本当かどうかにかかわらず、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金としています。ただし、公共の利害に関わる事実を公益のために示し、真実だと証明されたときは罰せられません(230条の2)。今回は、投稿の内容が虚偽だと認められました。
公共の利害に関わる事実であっても、真実だと証明できなければ罰せられることがある、というのが条文の仕組みです。
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出典
- テレ玉「SNS投稿で市長らの名誉毀損 三郷市議に有罪判決」2026年11月6日(Yahoo!ニュース)
- 埼玉新聞「SNSに虚偽の投稿『事件に関与』…三郷市長らの名誉を傷つける 地裁、市議に有罪判決」2026年11月7日(Yahoo!ニュース)
- 埼玉新聞「失職から一転…三郷市議が復職 埼玉県が除名処分を取り消し」2026年7月11日(Yahoo!ニュース)
- 共同通信「埼玉・三郷市議を除名処分 市長に暴言『品位損ねた』」2025年12月3日(Yahoo!ニュース)
- 埼玉県「三郷市議会議員の除名処分に係る審決について」2026年7月10日(県のページ)
- 神奈川新聞「葉山町議失職は『違法』 覚醒剤使用で有罪判決」2016年7月16日(カナロコ)
- 刑法230条・230条の2(e-Gov法令検索)、刑事訴訟法55条・373条(e-Gov法令検索)
- 公職選挙法11条(e-Gov法令検索)、浜松市選挙管理委員会「選挙権」(浜松市のページ、2026年5月12日更新)
確認日:2026年11月7日。判決は確定していません。控訴や市議会の対応など新しい情報があれば追記します。

