三芳町上富の多福寺(たふくじ)の紅葉は、例年11月下旬がいちばんの見頃です。紅葉情報サイトのウォーカープラスは、2026年の見頃の目安を11月15日(日)〜30日(月)としています。駐車スペースは台数に限りがあり、電車なら東武東上線の鶴瀬駅・ふじみ野駅からライフバス(大人220円)で「多福寺」バス停へ。バスは1時間に1本もない時間帯が多いので、帰りの便を先に決めてから出かけるのがコツです。
多福寺は、観光寺のようなにぎやかさとは無縁のお寺です。武蔵野の雑木林が残る上富の畑の中にあり、山門をくぐると車の音が遠のきます。境内には枝を張り出すように伸びたもみじがあり、晩秋には頭上がすっかり色づきます。三芳町の観光案内も「春はしだれ桜、秋には紅葉と静寂の中に季節を感じ」と紹介していて、派手さより静けさを味わいに行く場所です。
多福寺の紅葉の見頃はいつ?
目安は11月中旬から下旬。ウォーカープラスの2026年の掲載は11月15日(日)〜30日(月)で、「例年11月下旬が一番おすすめの時期」としています。ただし色づきは気温しだいで前後します。お寺や町が色づき状況を毎日発信しているわけではないので、11月上旬に冷え込みが続いた年は少し早め、暖かい秋は12月の初めまで残ると考えておくと外しにくいでしょう。
見頃の時期には写真を撮りに来る人も増えるとウォーカープラスは紹介しています。葉に日が透ける午前中〜昼過ぎが撮りやすい時間帯です。11月下旬の日の入りは16時半ごろで、雑木林に囲まれた境内は15時を過ぎると日差しが弱まります。
どんなお寺?見ておきたいもの
多福寺は、元禄9年(1696年)に川越藩主の柳沢吉保が、三富新田を切り開いた農民たちの菩提寺として建てた臨済宗のお寺です。正式には「三富山多福禅寺」。それまで上富の農家は亀久保村(今のふじみ野市)の地蔵院、中富・下富の農家は大塚村(今の川越市)の西福寺を菩提寺にしていましたが、多福寺ができて三つの村がひとつの寺を持つことになりました。出身地の違う農家どうしをまとめる、心の支えの役割があったと町は説明しています。
境内で探しておきたいのが、吉保の重臣・曽根権太夫が寄進した銅鐘(県指定文化財)。寺には吉保直筆の「参禅録」などの寺宝も伝わっています(寺宝は常時公開されているものではありません)。紅葉だけ見て帰るより、「この林と畑を300年以上守ってきた村の寺」と思って歩くと、景色の見え方が変わります。三富新田の成り立ちは三富新田とは|屋敷・畑・雑木林の地割と歩き方で詳しく書きました。
注意 多福寺は観光施設ではなく、檀家の方がお参りする現役のお寺です。拝観料・拝観時間は公式に記載がありません。大人数での訪問や撮影の可否が気になる場合は、多福寺(049-258-0837)に確認を。墓地での撮影や、法要中の本堂前での長居は控えましょう。
駐車場はある?車で行くときは
ウォーカープラスの施設情報では、専用の駐車場はなく「駐車スペースあり 台数に限りあり」とされています。広い専用駐車場を想定して行くと、見頃の週末は困るかもしれません。台数は公式に記載がないので、混みそうな日は午前の早い時間か平日が無難です。所在地は入間郡三芳町上富1542。町のいも街道のパンフレットの地図では、けやき並木のいも街道沿いに多福寺があり、車なら三芳スマートICの方面から入れます。
電車とバスで行ける?帰りの便に注意
最寄りの鉄道駅は東武東上線の鶴瀬駅とふじみ野駅。町の観光案内では、ライフバスの6-A系統(鶴瀬駅西口〜三芳役場・上富経由〜ふじみ野駅西口)で「多福寺前」下車と案内されています(ライフバスの時刻表では、バス停名は「多福寺」)。運賃は町内エリアの路線で大人220円・小児110円です。
悩ましいのは本数です。2026年10月21日時点のライフバスの時刻表を見ると、日中に多福寺から鶴瀬駅西口へ戻れる便は、4系統と6-A系統を合わせても1時間に1本ほど。11時台は便がなく、14:32を逃すと次は17:12まで約2時間40分あきます。行きの便と帰りの便をセットで決めておけば、境内で時間を持て余したり、バス停で長く待ったりせずに済みます。

| 行き先 | 系統 | 多福寺の発車時刻(9時以降の日中) |
|---|---|---|
| 鶴瀬駅西口へ | 4系統(西原住宅循環) | 9:47、10:50、12:37、13:17、14:20 |
| 鶴瀬駅西口へ | 6-A系統 | 10:27、12:57、14:32、17:12 |
| ふじみ野駅西口へ | 6-A系統 | 9:12、12:17、13:47 |
| (参考)鶴瀬駅から来るとき | 6-A系統(ふじみ野駅西口行き) | 多福寺に9:12、12:17、13:47ごろ着 |
9時以降の時刻は平日と土日祝で同じです(朝8時台までは平日と土日祝で時刻が違います)。時刻は改正されることがあるので、乗る前にライフバスの「多福寺」の時刻表で確かめてください。
半日で回るなら:多福寺と三富新田のおすすめコース
バスの本数を考えると、多福寺だけを目当てにするより、上富の見どころと組み合わせて半日を過ごすほうが満足度は高くなります。たとえば鶴瀬駅から6-A系統に乗って12:17ごろ多福寺に着く便なら、境内で紅葉と銅鐘をゆっくり見て、13:17の4系統か14:32の6-A系統で鶴瀬駅へ戻れます。
車や自転車なら行動範囲が広がります。茅葺きの古民家旧島田家住宅(無料、9:00〜16:00、月曜・祝日・年末年始休館)で三富の暮らしを見てから多福寺へ向かうと、屋敷林・畑・雑木林が並ぶ景色の意味がよくわかります。11月はいも街道の直売所で、町の名物「紅赤」が並ぶ時期とも重なります。直売所の選び方は三芳いも街道の直売所29軒|品種・駐車場と紅赤の時期にまとめました。
ほかの埼玉の紅葉と比べると
同じ県南西部の紅葉なら、新座市の平林寺は境内が広く、雑木林の紅葉をたっぷり歩けますが、入山料(大人500円)がかかり、参拝者用の駐車場もありません(平林寺の紅葉2026|見頃と行き方・駐車場なし)。多福寺は規模こそ小さいものの、人の少なさと、三富新田の畑と林の景色をあわせて楽しめるのが持ち味です。県内のほかの名所は埼玉の花の名所カレンダーも参考にしてください。
よくある質問
多福寺の紅葉にライトアップはある?
ライトアップの案内は、町の観光案内にもウォーカープラスにもありません。日中に訪れる場所と考えてください。
多福寺の宗派は?
三芳町の観光案内では「臨済宗三富山多福禅寺」と紹介されています。
問い合わせ先は?
多福寺(三芳町上富1542)049-258-0837。バスはライフバス 049-259-7566。
出典:三芳町「多福寺【三芳町の観光】」、ライフバス「多福寺」時刻表・運賃案内、ウォーカープラス「【紅葉・見ごろ】多福寺」。2026年10月21日時点の情報です。


