結論:ムーミンのテーマパークが飯能市にできたのは、飯能市の誘致、宮沢湖周辺の土地を持つ西武鉄道の賛同、そしてムーミン作品のテーマの一つ「自然との共生」に合う森と湖があったから、と、計画したフィンテック グローバル(運営は子会社の株式会社ムーミン物語)は説明しています。2019年3月16日に開業しました。
実は飯能には、その20年以上前から作者トーベ・ヤンソンと手紙を交わして作った無料の公園「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」(1997年開園)もあります。2つは場所も運営も別。違いを知っておくと、飯能のムーミン巡りがぐっと楽しくなります。

ムーミンのテーマパークが、なぜ埼玉に? フィンランドの物語と、奥武蔵の玄関口・飯能。一見つながりのなさそうな組み合わせですが、たどってみると、市と作家の30年以上にわたる縁がありました。
ムーミンバレーパークはなぜ飯能にできたの?
テーマパークを含む施設「メッツァ」を計画したのは、投資銀行事業などを手がける東京の会社、フィンテック グローバルです。同社の2015年の決算説明資料によると、宮沢湖畔の周辺土地およそ18万7,000平方メートル(東京ドーム約4個分)を取得し、飯能を選んだ理由として次の3つを挙げています。
同社と飯能市は2015年6月に「地方創生に関する基本協定」を結んでいます。「メッツァ(Metsä)」はフィンランド語で「森」の意味。湖と雑木林に囲まれた宮沢湖のほとりは、まさに名前どおりの場所でした。施設は2018年11月9日に無料エリアの「メッツァビレッジ」が、2019年3月16日に有料の「ムーミンバレーパーク」が開業しています。
埼玉県も運営会社の株式会社ムーミン物語と2018年6月に観光の連携協定を結び、海外向けのPRを一緒に進めました。県議会の答弁では、メッツァを核に川越や秩父・長瀞とつなぐ周遊で、日帰り中心の県内観光を宿泊型に変えたいという期待も語られています。
もう一つのムーミンの森「あけぼの子どもの森公園」とは?
飯能とムーミンの縁は、テーマパークよりずっと前から始まっていました。舞台は、飯能市の東部、西武池袋線の元加治駅から歩いて約20分の「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」です。
この公園は、建設省(当時)の「平成記念子供のもり公園事業」の指定を受け、1997年7月1日に「あけぼの子どもの森公園」として開園しました。子どもたちが互いを受け入れながら自由に遊ぶ、という公園の考え方がムーミンの世界と重なることから、飯能市は1992年4月、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンに手紙を送ります。ヤンソンからはすぐに、とても楽しみにしているという返事が届き、手紙のやりとりは1999年まで7年続きました。きのこの形をした「きのこの家」や「子ども劇場」など、絵本から抜け出したような建物には、そのやりとりが生かされています。
2017年6月1日、公園は作者の名前を冠した現在の名前に改められました。入園は無料で、飯能市によると年間の来園者は20万人を超えています。
ここが勘違いしやすいポイント
あけぼの子どもの森公園は市営の無料の公園で、ムーミンのキャラクターの施設ではありません。キャラクターの物語の世界に入れるのは宮沢湖の有料テーマパークの方です。2つは同じ飯能市内でも、最寄り駅の違う別の場所にあります。
2つのムーミンの森、どう違う?
| 施設 | 場所・最寄り駅 | 料金 | どんな場所 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ムーミンバレーパーク(メッツァ) | 宮沢湖畔。飯能駅北口からバス、東飯能駅・高麗川駅から無料シャトル | 有料(入場券が必要)。メッツァビレッジは入場無料 | 物語の世界を再現したテーマパーク。ショーや展示、北欧のお店 | キャラクターに会いたい、ムーミンの物語が好きな人 |
| トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園 | 飯能市阿須。元加治駅から徒歩約20分 | 無料 | ヤンソンとの手紙から生まれた建物が点在する市営公園 | 小さな子ども連れ、のんびり絵本の世界を歩きたい人 |
メッツァの駐車場は平日1日1,000円(最初の2時間無料)、土日祝は1日1,500円です。テーマパークの入場料や営業時間は季節やイベントで変わるので、公式サイトで確認してください。あけぼの子どもの森公園は9時〜17時(最終入園16時40分)。休園日は原則月曜(祝日の場合は翌日)で、6月〜9月上旬と1月〜3月中旬の閑散期は月〜水曜が休みです。
1日で両方回れる?
回れます。ただし2つの場所は離れているので、移動の手段を先に決めておきましょう。車なら効率よく回れますが、電車の場合はそれぞれの最寄り駅が違います(メッツァは飯能駅・東飯能駅、あけぼの公園は元加治駅)。
- 午前元加治駅からあけぼの子どもの森公園へ
徒歩約20分。空いている朝のうちに、きのこの家や森の家(図書室)をゆっくり
- 昼元加治駅から西武池袋線で飯能駅へ
公園内のカフェで昼食をとってから移動してもよい
- 午後飯能駅北口からバスでメッツァへ
宮沢湖のほとりでテーマパーク。秋は夜の湖上花火の日もある
小さな子ども連れなら、無理に1日に詰め込まず、あけぼの公園だけで1日遊ぶのも十分楽しめます。
よくある質問
Q. ムーミンの作者は飯能に来たことがある?
ヤンソンと飯能市の交流は、1992年から7年間の手紙のやりとりとして伝えられています。公園の建物には、その手紙に込められた考えが生かされています。
Q. 今の季節はどんなイベントがある?
秋は夜の湖上花火や収穫祭などを開いています。最新のイベントは下の記事で紹介しています。
飯能のムーミンのイベント記事
- ムーミン谷の湖上花火|10/17〜31の時間とナイトパス
- 飯能市のムーミンバレーパークに新キャラ「ヨクサル」登場、秋のハーベスト開催
- 超ニョロニョロの日|11/11は夜1,100円で花火
- ムーミン谷のクリスマス2026|日程と料金・夜の演出
参考:フィンテック グローバル 2015年9月期決算説明資料、埼玉県議会 平成30年9月定例会一般質問(2018年10月1日)、トラベルボイス(2018年8月27日)、飯能市「市政要覧」・記者発表資料(2018年5月31日)、メッツァ公式サイト「アクセス」、BCN+R(2024年11月1日)、るるぶ&more「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」、たびこふれ(tabi-mag.jp)「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」


