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南比企窯跡とは|鳩山町初の国史跡と見学できる場所

南比企窯跡を表すアイキャッチ。斜面に掘られた古代の窯と瓦、窯500基超・2023年に鳩山町初の国史跡の文字 おでかけ・イベント

結論:南比企窯跡(みなみひきかまあと)は、6世紀前半から10世紀中頃にかけて500基を超える窯で須恵器や瓦を焼いた、東日本最多の窯跡群です。2023年3月20日に鳩山町で初めての国史跡になりました。指定された3遺跡は整備がこれからで、今すぐ気軽に歩ける史跡公園ではありません。ただ、赤沼地区の窯跡2か所(解説板や覆い屋の窓越し)と、出土品の展示2か所は今でも見学できます。10月26日(月)には農村公園の復元古代窯で「窯出し」の見学もあります。

南比企窯跡のまとめ。国史跡は石田遺跡・新沼窯跡・天沼遺跡の3遺跡で、整備はこれから。今見学できるのは石田1号窯、赤沼古代瓦窯跡、農村公園まつぼっくりの展示、多世代活動交流センターの出土品展示室。10月26日に復元古代窯の窯出し

鳩山町の丘陵を車で走ると、林と谷の田んぼが交互に現れます。千数百年前、この谷あいの斜面に穴を掘ってつくった窯が並び、煙が上がっていました。ここで焼かれた瓦は、いまの東京都国分寺市にあった武蔵国分寺の屋根にも使われています。地味に見える雑木林の下に、東日本で最も多くの窯が築かれた焼き物の産地が眠っている。南比企窯跡は、そういう場所です。

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南比企窯跡とは?何がすごいの?

埼玉県の発表によると、南比企窯跡は古代武蔵国の「四大窯跡」の一つ。6世紀前半から10世紀中頃まで、総数500基を超える窯が操業し、その数は東日本で最も多いとされています。窯は地面の下をトンネル状に掘り抜いた「地下式窖窯(ちかしきあながま)」が基本で、8世紀前半には長さ10m以上にまで大きくなりました。

焼かれたのは灰色の硬い土器「須恵器(すえき)」と瓦です。7世紀後半から8世紀初めには武蔵国府や郡の役所、地方の寺へ運ばれ、8世紀中頃の武蔵国分寺の創建や修理にも瓦を供給しました。出土した「文字瓦」から、武蔵国21郡のうち16郡が瓦づくりに関わったこともわかっています。国が史跡に指定したのは、古代の関東の焼き物づくりの中心だったことに加え、国分寺を建てるために武蔵国内の郡から人手を集めた仕組みの一端を示しているからです。

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国史跡に指定されたのはどこ?

窯跡群そのものは鳩山町を中心に、嵐山町・ときがわ町・東松山市の一部にまで広がっています。そのうち国史跡になったのは、鳩山町の3遺跡です(指定面積は約3.8ha)。

石田遺跡(赤沼地区)

  • わかっていること:7世紀後半〜10世紀中頃。8世紀中頃に新しい形の平窯を試したが定着しなかった
  • 今の見学:町の遺跡見学会で公開。学校の校外学習にも活用する方針

新沼窯跡(泉井地区)

  • わかっていること:26基。主に8世紀中頃〜後半の須恵器の窯
  • 今の見学:公開の方法を検討中

天沼遺跡(泉井地区)

  • わかっていること:奈良時代に瓦と須恵器を焼いた窯2基。平城宮系の瓦が出土
  • 今の見学:当面は町道からの見学

表の「今の見学」は、2026年3月に町が策定した『史跡南比企窯跡保存活用計画』(概要版)によるものです。計画案では、見学用の園路や案内がまだ暫定的で少なく、多くの来訪者を受け入れる段階ではないと書かれています。指定地には地権者のいる土地や農地も含まれるので、畑や林に勝手に入らないようにしましょう。

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今、見学できる場所は?

国史跡の3遺跡とは別に、町は赤沼地区の窯跡と出土品の展示を「見学できる場所」として案内しています。窯跡2か所と農村公園の展示は赤沼地区に、出土品展示室は鳩山ニュータウン内にあります。

場所見られるもの時間メモ
石田国分寺瓦窯跡(石田1号窯)窯跡の現地と解説板いつでも赤沼。国分寺の瓦を焼いた窯
赤沼古代瓦窯跡覆い屋の中の窯跡を窓越しにいつでも(窓越し)扉を開けて見たいときは多世代活動交流センターへ連絡
農村公園「まつぼっくり」ロビー出土品の展示9:00〜17:00(第3月曜・年末年始休み)赤沼1427-1。駐車場・トイレあり
多世代活動交流センター2階 出土品展示室国分寺瓦の生産、町指定文化財の出土品など平日9:00〜16:00(土日・休日・年末年始休み)松ヶ丘4-1-1(鳩山ニュータウン内)

石田1号窯と赤沼古代瓦窯跡が国史跡の指定範囲に入っているかどうかは、町のページに記載なし。また、展示室の料金と最新の開館日も見学案内のページには書かれていないので、出かける前に鳩山町教育委員会 文化財保護・町史担当(049-296-3862)へ確認を。

おすすめの回り方は?

車なら、農村公園の駐車場に止めて、まつぼっくりの展示で窯と瓦の姿を頭に入れてから、近くの窯跡2か所を歩いて見に行く順番がわかりやすいです。窯跡の駐車場は町のページで「農村公園の施設をご利用ください」と案内されています。平日なら、そのあと鳩山ニュータウンの多世代活動交流センターへ移動し、展示室で国分寺瓦や町指定の出土品をじっくり見ると、現地で見た窯と出土品が結びつきます。

電車の場合、町内に駅はありません。町の案内では、東武東上線・越生線の坂戸駅北口から川越観光バス大橋行きで「熊井」下車(窯跡まで北東へ約800m)、または高坂駅から鳩山ニュータウン行きなどで「鳩山高校入口」下車(窯跡まで西へ約1.7km)、または町の行政福祉バス「はとバス」ニュータウンコースで「ひばり保育園入口」下車(石田1号窯まで南へ約300m)です。泉井地区の新沼窯跡・天沼遺跡は、町営バス北部線「泉井」バス停から徒歩1〜2分と計画案に書かれています。

秋の見学チャンス(2026年)
  • 10/26(月)
    復元古代窯の「窯出し」10:00〜12:00

    農村公園「まつぼっくり」隣の復元古代窯(赤沼1421-1)。雨天は27日(火)。申込・料金は公式に記載なし(焼成見学は申込不要・無料だった)。文化財保護・町史担当へ確認を

  • 11/2(月)・3(祝)
    焼いた作品の展示

    中央公民館(赤沼1715-1)。2日13:00〜16:00、3日10:00〜15:00。中央文化祭の一環

  • 11/12(木)
    比企地区文化財めぐり

    町内在住・在勤・在学者限定、先着10名。申込は10/30(金)まで。行先は東松山市の青鳥城跡などで、窯跡は含まない

復元古代窯では、焼き物づくり体験の作品を古代と同じように薪で焼いています。10月7日〜10日の焼成はもう終わりましたが、窯から作品を取り出す「窯出し」は見学できます。窯の構造を目で見られる数少ない機会なので、窯跡の見学と同じ日に組み合わせるのがおすすめです。

これからどう整備される?

町は2025年12月16日〜2026年1月20日に計画案へのパブリックコメントを行い(意見は2人・2件)、2026年3月に保存活用計画を策定しました。計画案では、2026年4月から2031年3月までの5年を短期計画とし、測量や動植物の調査、整備基本計画の準備、公有地化や追加指定の準備を進めます。その後の中期(2040年度まで)で整備基本計画の策定と保存整備の設計・工事を行って公開活用を目指し、長期で公有地化や指定範囲の追加を進めるとしています。

整備の中身としては、史跡の境界標、木の管理による土の流出防止、立ち入り防止の対策、標識・園路・柵などが挙げられています。活用面では、町のデジタル博物館の充実や、AR(拡張現実)で窯の復元想定図を見せる方法も検討するとしています。史跡公園として歩けるようになるのは、早くても中期計画の段階です。

見学の前に確認
  • 国史跡の3遺跡には私有地・農地が含まれる。立ち入らずに道から
  • 展示室は平日のみ(多世代活動交流センター)。土日はまつぼっくりの展示へ
  • 窯跡は農村公園に車を置いて歩いて回る。歩きやすい靴で
  • 電車なら坂戸駅・高坂駅からバス。本数は事前に確認

問い合わせ先

史跡・展示・見学会鳩山町教育委員会 生涯学習課 文化財保護・町史担当 049-296-3862(平日9時〜17時)
赤沼古代瓦窯跡の見学案内鳩山町 産業振興課 地域活性化担当 049-296-5895
所在地(指定地)比企郡鳩山町大字赤沼字石田1415番1ほか

出典:埼玉県「『山王塚古墳』及び『南比企窯跡』の国史跡への指定について」(2022/12/16)、鳩山町「『南比企窯跡』国指定史跡に関する官報告示について」、「史跡南比企窯跡保存活用計画」(概要版)、「計画案のパブリックコメント結果」、「復元古代窯での焼成見学会」、「比企地区文化財めぐり」、見学案内(石田1号窯、赤沼古代瓦窯跡、農村公園、出土品展示室)。情報は2026年10月16日時点。

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