川口市のSKIPシティで毎年7月に開かれてきた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」は、2025年の第22回で幕を下ろしました。後を継ぐ「SKIPシティ キネテク国際映画祭」が、2027年1月31日(日)〜2月7日(日)の8日間、同じSKIPシティで初めて開かれます。
夏の映画祭が冬に移り、コンペの対象は「デジタルで撮った若手の映画」から「AIやVFXなどの先端技術を使った映画・映像」に変わります。作品の募集は2026年8月31日に締め切られました。上映作品やチケットは、2026年10月時点ではまだ発表されていません。

Dシネマ映画祭はなくなったの?22年の歩みと新しい名前
Dシネマ映画祭は、映画館がまだフィルムで上映していた2004年に、デジタル映画に絞った国際コンペとして始まりました。主催者は「デジタル映画に特化した世界初の国際コンペティション映画祭」と位置づけています。若手・新人監督に限ったコンペを22回続け、ここから多くの監督が育ちました。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2004年 | 第1回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 |
| 2024年 | 総入場者数 7,046人 |
| 2025年 | 第22回(7月18日〜26日)。国内作品だけのコンペに271作品の応募、総入場者数は11,192人。この回で終了 |
| 2026年6月12日 | 埼玉県が「SKIPシティ キネテク国際映画祭」の開催を発表 |
| 2026年7月1日〜8月31日 | 新しい映画祭のコンペ作品を募集(締切済み) |
| 2027年1月31日〜2月7日 | SKIPシティ キネテク国際映画祭(初開催) |
最後の年の入場者は前年より約4,000人多く、終わり方としては盛況でした。「キネテク(Kinetec)」は「キネマ(映画)」と「テクノロジー」を合わせた造語です。映画がフィルムからデジタルへ移った時代に生まれた映画祭が、次はAIや映像技術の変化を追いかける、という意味の改名です。
何が変わる?Dシネマとキネテクの違い
会場と、埼玉県・川口市・川口商工会議所が主催する点は変わりません。違いは時期とコンペの中身です。
| Dシネマ映画祭(2025年) | キネテク国際映画祭(2027年) | |
|---|---|---|
| 会期 | 7月18日〜26日(9日間) | 1月31日〜2月7日(8日間) |
| コンペの対象 | 国内で作られたデジタルシネマ作品 | AI・VFXなど先端技術を使った映画・映像作品。国内外どちらも可 |
| 部門 | 国内作品のコンペティション(ノミネート13作品) | 映画部門(長編60分以上・短編60分未満)とネクスト部門 |
| 上映・企画 | アニメ上映、ワークショップ、縦型映画の上映、マルシェなど | 最新映像技術の体験展示、地元企業の展示商談会、NHKと連携した展示(予定) |
新設の「ネクスト部門」は、上映時間もジャンルも問わない枠です。AIで生成した映像、縦型動画、ミュージックビデオ、ゲームエンジンで作ったCGアニメまでが対象になります。映画館のスクリーンで上映できる形式であることが条件で、VRゴーグルを使う作品などは対象外です。観客の立場で見ると、いわゆる映画祭の長編・短編に加えて、ふだん映画館では見られない短い映像作品がスクリーンにかかる映画祭になりそうです。
ディレクターには、上海国際映画祭で日本映画部門の選考を担当してきた徐昊辰(じょ・こうしん)さんが就任しました。Dシネマ映画祭2021のグランプリ作品『ルッツ 海に生きる』の国内共同配給を手がけるなど、SKIPシティとはもともと縁のある人です。
チケットはいつ・いくら?2025年の例から読む
キネテク国際映画祭のチケットはまだ発表されていません。参考になるのが最後のDシネマ映画祭です。2025年はコンペ作品が前売800円・当日1,000円、招待作品や特集上映が前売1,000円・当日1,200円で、縦型映画や関連企画には無料の回もありました。上映は日時・座席指定(縦型映画は自由席)で、これらの上映は未就学児の入場を遠慮してもらう扱いでした。
買い方には癖がありました。前売はオンラインのみでクレジットカード払い、当日券は会場で現金のみ。前売で売り切れた回は当日券が出ません。入場は購入メールのQRコードをかざす方式でした。
発表の時期も見ておきましょう。2025年は会期の22日前(6月26日)に全ラインナップを発表し、17日前(7月1日)に前売を始めています。同じ間隔なら、2027年は1月上旬〜中旬ごろに上映作品とチケットが出る計算です(あくまで前回からの目安です)。年末年始をはさむので、気になる人は12月のうちに公式サイトとSNS(@skipcityidcf)をのぞいておくと安心です。
会場への行き方は?冬の会期で気をつけたいこと
会場のSKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ(川口市上青木3-12-63)は駅から離れた場所にあります。2025年は会期中だけJR川口駅西口から無料の直行バスが出ていました。路線バスなら、JR西川口駅東口から「SKIPシティ経由鳩ケ谷駅西口」行きに乗って「SKIPシティ」で降りるのが近く、JR川口駅東口からは「川口市立高校」で降りて少し歩きます。歩くなら埼玉高速鉄道の鳩ヶ谷駅から約20分です。
車の場合、2025年は上映チケットと駐車券を会場で見せると駐車料金が無料になりました。2027年の直行バスや駐車場の扱いは未発表なので、行く前に公式サイトで確かめてください。夏と違って1月末〜2月は夕方5時ごろには日が暮れます。夜の回を見てからバスで帰る人は、帰りの時刻を先に調べておくと落ち着いて見られます。
映画のあとに寄りたい所は?
SKIPシティの中には川口市立科学館があり、科学展示室は一般300円・小中学生150円です(川口市のページ、2026年6月更新)。月曜は休館なので、会期中だと2月1日(月)は開いていません。注意したいのはプラネタリウムで、機器更新のため2027年1月5日〜3月19日は投影を休む予定と案内されており、映画祭の会期とまるごと重なります。子ども連れなら、初日の1月31日(日)か最終日の2月7日(日)に展示室と組み合わせるのが無理のない回り方です。休止期間は変わることもあるので、科学館のホームページで確かめてから出かけてください。屋内で過ごせる場所は埼玉の雨の日に子どもと遊べる屋内施設17選にまとめています。
SKIPシティでは、NHKが大河ドラマなどの制作拠点となる川口施設の整備を進めています(2028年度に使い始める予定)。映画祭でNHKと連携した展示が予定されているのはこのためで、テレビの制作現場に近づける内容になるかもしれません。買い物や食事なら、2025年に映画祭のマルシェ会場にもなったイオンモール川口前川があります(埼玉のイオンモール全11施設)。
作品は応募できる?次の募集は?
第1回の募集は2026年7月1日〜8月31日で、すでに締め切られています。映画部門は、劇場公開した長編(60分以上)が4本以下の監督の作品で、2025年7月1日以降に作られたものが対象でした。ネクスト部門は監督の経歴を問いません。賞金は映画部門の長編が50万円、短編が30万円、ネクスト部門が20万円(いずれも最優秀作品賞・予定)で、国内作品からはSKIPシティアワード(企画制作支援100時間)も選ばれます。
Dシネマ映画祭は、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、『孤狼の血』の白石和彌監督、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督、『ある男』の石川慶監督らが早い時期に注目された場所でした。新しい映画祭がその役目を引き継げるかは、第1回のノミネート作品で見えてきます。次回の募集時期はまだ発表されていません。
よくある質問
2026年の夏にDシネマ映画祭はあった?
ありません。主催者は2025年の第22回で歴史に幕を下ろしたと発表しており、次の開催が2027年1〜2月のキネテク国際映画祭です。
キネテク国際映画祭は誰でも見られる?
一般の観客向けの映画祭です。上映作品・料金・未就学児の扱いはまだ発表されていません。2025年のDシネマ映画祭では、コンペなどの上映は未就学児の入場を遠慮してもらう扱いで、子ども向けのアニメ上映は無料でした。
問い合わせ先は?
映画祭への問い合わせはメールのみで、一般の問い合わせは info@skipcity-dcf.jp、作品の応募については entry@skipcity-dcf.jp です。最新情報は公式サイトで確認してください。
出典:SKIPシティ キネテク国際映画祭 公式サイト(映画祭とは・作品募集・お知らせ 2026年6月12日/7月1日・お問い合わせ)、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 公式サイト(総括・チケット・アクセス)


