さいたま市のタムロンがレーザー溶接分野へ参入、9月16日に開発中の新製品を初展示
さいたま市に本社を置く総合光学機器メーカー・株式会社タムロンが、レーザー溶接加工ソリューション分野への新規参入を目指すと発表しました。カメラ用交換レンズでおなじみの県内企業が、長年培ってきた光学技術を「ものづくりの現場」に生かす取り組みです。開発中の実機は、2026年9月16日(水)から東京ビッグサイトで開かれる「2026国際ウエルディングショー」で初めて展示されます。
タムロンが挑む「ビームプロファイラ」とは
今回開発が進められているのは、レーザー溶接加工システムの要となる「ビームプロファイラ」です。これはレーザービームの状態を可視化する計測器で、レーザビーム径や熱分布の状態などをリアルタイムで計測・可視化します。
レーザー溶接加工は、同じ出力条件であっても、照射ポイントにおけるレーザービームの焦点位置や空間強度分布(ビームプロファイル)が変化すると、加工ムラや焦点ズレ、飛散物(スパッタ)が発生し、均一な品質を保てないという課題がありました。ビームの状態が「見える」ようになれば、この課題への対処がしやすくなるというわけです。
なぜ今、レーザー溶接なのか
近年、医療機器や精密機器の小型化・高性能化が進み、溶接現場でも難易度の高いニーズが増えています。銅やアルミニウムなどの軽板・異種金属を溶接したい、溶接時に発生するスパッタを付着させず加工品質を高めたい——こうした要望に応えるには、レーザー発振器や加工ヘッド、ビームプロファイラなどの装置と付帯機器が高精度に融合した製品が求められます。
タムロンは長年培ってきた光学技術を駆使し、この分野の課題解決に取り組んできました。
2027年中に2製品の上市を目指す
同社は、要素技術である高出力レーザー用光学技術を用いた「レーザー加工ヘッド」の開発も並行して進めています。2027年中を目途に、「ビームプロファイラ」と「レーザー加工ヘッド」の2製品を上市し、レーザー溶接加工ソリューション分野へ新規参入する計画です。溶接現場の自動化や作業環境の改善に貢献することを目指しています。
「2026国際ウエルディングショー」で初展示
開発中のプロファイラは、株式会社ナ・デックスのブース内で参考展示されます。
- 展示期間:2026年9月16日(水)〜9月19日(土)
- 展示時間:午前10時〜午後5時(最終日は午後4時まで)
- 展示場所:東京ビッグサイト 西展示棟(ブース番号 2-45)
- 公式HP:2026国際ウエルディングショー
国際ウエルディングショーは、溶接・接合技術と関連分野の最新製品や先端溶接加工システム技術が一堂に集まる、日本最大の溶接・接合、切断技術専門展示会です。県内の製造業に関わる方にとっては、地元企業の新しい挑戦を直接見られる機会になります。
「撮り、測り、つなぐ。」新長期ビジョンの一環
タムロンは新長期ビジョン「撮り、測り、つなぐ。人と自然の健康を創造する企業へ」を掲げ、従来の光学部品の供給にとどまらず、光学システムおよびサービスまでを包括的に提供する「総合光学・センシングソリューション企業」への変革を進めています。今回のレーザー溶接加工分野への参入も、その流れに位置づけられる取り組みです。
同分野でもパートナー企業との協業やオープンイノベーションを積極的に活用し、溶接現場の生産性向上に向けたソリューション創出を目指すとしています。
タムロンってどんな会社?
株式会社タムロン(代表取締役社長:桜庭省吾、本社:埼玉県さいたま市)は、デジタル一眼カメラ用交換レンズをはじめとする一般ユーザー向けの自社ブランド製品から、OEM製品、各種産業分野に貢献する光学製品まで手がける総合光学機器メーカーです。
取扱製品は、ミラーレスカメラ用交換レンズ、一眼レフカメラ用交換レンズ、監視カメラ用レンズ、FA/マシンビジョン用レンズ、TV会議用レンズ、カメラモジュール、車載カメラ用レンズなど多岐にわたります。詳しくはタムロン公式ホームページをご覧ください。
まとめ
カメラ好きにはレンズメーカーとして知られるタムロンですが、その光学技術は産業の現場にも広がっています。さいたま市に本社を構える企業が、2027年に向けて新しい事業の柱を育てようとしている——県内のものづくりを応援する立場からも、注目しておきたいニュースです。


