聖地とも呼ぶべき絶好のB級グルメ・スポット【埼玉ブルース第28回】

埼玉ブルース

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」。

徐々に肌寒さも強まって、巷は師も走り回るほど忙しい師走。そろそろ年忘れのふいんき
(何故か変換出来ない)も漂いはじめてはいるものの……ちょっと待って、
このコーナーでしたいこととか全く以ってやり切れてない!

1と言う訳で、今回そんな焦燥とともに降り立ったのは、JR高崎線は北本駅。

ここが聖地とも呼ぶべき絶好のB級グルメ・スポットであると聞き付け、早くも腕ならぬ
お腹が鳴るのを抑えながら探索するは、地元ならではのTHEウマい店。

そう、今年この連載でやり忘れたこと……それは、ずばり食べ歩き! 

そんな声高らかに言うようなことではないとは思うものの、こうした連載では
鉄板とも言える企画である。
こんな王道を踏まずして、一体どうして新しい年を迎えることが出来ようか。

改札を出ようとしたところへ目に入って来たのは、いまや埼玉県の誇る名物料理であり
北本市民のソウル・フードともなっている北本トマト・カレーの横断幕。

食で町興しを図るのは、まさに住民が気のいい街である証拠。
これは、何とはなしに期待を掛けられそうである。

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この駅舎をして、大きく西と東に分けられる北本市街。

早速聞き込みを行うと、どうやら西口にも名店は多々あれど、
全体的には東口の方が栄えているそうな。

実際に歩いてみたところ……なるほど、確かに大型書店やスーパーを中心に
賑わいを見せているようだ。平日には珍しい活気を見せる駅前通りを過ぎ、
いわゆる閑静な住宅街に差し掛かってすぐに見えて来たのは、一風変わったパン屋さん。

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その看板に惹かれて扉を叩くと、そこにはなんともおいしそうなパンがずらり!

昔懐かしいロールパンをはじめ、ごまやくるみ入りなど誰もが好きな定番の品揃えは、
まさに老若男女にその購買層を選ばないに違いない。

今流行りの(?)ピザやツナマヨなど、少々ジャンクっぽいものも扱われているにも拘わらず、
それでも”ヘルシー”を謳うその理由は……

4実は、方々のメディアに取り上げられているこのお店のウリは、

何と言っても、その原材料。通常パンには小麦粉が用いられるのに対し、
ここでは大豆粉を使用していると言う。

苦心の末に生み出した独自の製法によって実現した低糖質/低カロリーが支持され、
現在では全国にそのファンを持つ、まさに有名店である。

もともとは糖尿病家系だったご家族のためにおいしく食べられるパンを、と作り
はじめたものが話題を呼び、あれよあれよと言う間に評判となったとのことで、
その店構えは非常にシンプルかつアット・ホームな雰囲気。

「どれもお勧め」とおっしゃるオーナーの自信作の中でも、おからから作られた
ベイクド・ドーナツは優しい味わいながら絶品で、いくつでも食べられてしまいそう。

折角なので、お土産と称して買い込んで、

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さらに食べ歩くべく歩みを進めつつ、行く道々でつまみ食いしちゃう。
ちょっとばかりのお行儀の悪さも、今日この時ばかりはご愛嬌☆

お伴を務めてくれるのは、先程買ったばかりのセサミパン。普通のパンより
ふんわりとした仕上がりながら、ひとたび頬張ればもちもちとした弾力は、

ヤミツキになること請け合いな独特の食感。

こうしたパンのほかにも、同じく低糖質のチーズケーキやなんとお醤油まで(!)
あるとのことで、今度お伺いする際には、こちらも是非試してみたいもの。

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古き良き時代を偲ばせる昭和情緒を残した街・北本市。道行く方々の中には
着物を着込まれたご婦人や風呂敷を携えたご老人など、これは年末ゆえなのか昔気質も見て取れる。

その上、まさかのこんな風景も。現代を生きるナウなヤングは知らないだろう無人販売所では、
新鮮なお野菜を格安なお値段で購入することが出来るのだ。

“朝獲れの野菜”と書かれてはいるが、この日は季節柄らしくおいしそうなみかんがあったので、
思わず買ってみることに。

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そのふたつ角を曲がった先の焼き鳥屋さんにて、暖をとるべく串を注文してみる。
こんなにしっかりお茶まで付いて、お値段はなんと¥50!

こちらは曜日を限ってのサービスとは言え、それにしたってお安いにも程があるんじゃ。。。

お持ち帰りも可能だが、いかにもなお話好きのお母さんもいらっしゃるとあって、
ついつい長居させて頂いてしまった。目の前で火を通される焼き鳥が、まさかこんなに
おいしいものだったとは……こんな何気ない発見も、食べ歩きのなせる業だろうか。

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おいしいお肉を食べてスタミナをつけたところで、舞い戻った駅前で出会ったのは、
北本が誇る生き字引ことおじいちゃん&おはあちゃんズ。よく「公共の場所でタムロして、これだから若者は!」
なんてお小言を耳にするものの、どの世代にもまんべんなく集会好きは存在するようである。

こちらは、「北本市のグルメを伺ったお返しに、先程買ったおみかんをあげたよ」の図。

「この写真をインターネットに載せてもいい?」とダメもとで訊いてみたところ、
「皆が見るってことなら、美人に撮ってね☆」とのお言葉を賜ってパシャリ。
我ながら写真の腕には自信があるとは言え、まだまだ実物には及ばない模様。

ともあれ、ご高齢者にも関わらずインターネットの概念をご存知だったことにもビックリだが、
この日の外気はなんと4℃!極端に寒さを嫌うご高齢者が多い中で、
この寒空の下晒されるまさかの豪胆さにもビックリである。

おじいちゃん、おばあちゃん。お風邪など召されませんように、いつまでもお元気で。

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ちなみに、そのみかんのお返しとして、さらに飴ちゃんまでもらっちゃったりして。

昔、某番組で「何故お年寄りは、いついかなる時にも飴を持ち歩いているのか?」を
検証していたけれど、もしかしたらこういう不意の出会いのためなのかも知れない。

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そこから歩き続けること十分弱。大通りを少し外れてたどり着いたのは、
北本市民のオアシスこと北本市民文化センター。その向かいにある市役所との間に
挟まれるようなかたちで悠然と門戸を開くお洒落なカフェに、勇気を出して入ってみることに。

平日は市役所職員さん、土・日・祝日などイベント開催日には文化センターの訪問客方が
集うと言うこのお店の看板メニューこそ、

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じゃ~~~ん!

そう、なんと噂の北本トマト・カレー。その呼称を名乗るべき条件は多々あれど、
お米にもルーにも付け合わせにもトマトを使用しているとあって、これは女性にはたまらないヘルシーさ。

お店の方曰く、「あまり辛くないので、お子様や甘党の方にもお勧めです」とのこと。
うん、確かに爽やかな酸味が恐ろしいまでの食欲を誘って来るではないか。

ちなみに、こちらはサラダが付いて、まさかのワン・コイン(飲み物別)。
このほかに本格的なガパオや唐揚げの甘酢掛けなど、少々ボリューミーなランチもリーズナブルに
頂くことが出来るので、男性にも全力でお勧めしたい次第。

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全国的にも珍しい低糖質/低カロリーの大豆パン→激安焼き鳥→朝獲れみかんに頂き物の飴ちゃん。
そして、北本グルメの本丸と言っても過言ではないトマト・カレーというフル・コースを食べ歩いて、
そろそろお腹もいっぱいいっぱい。

それにしても、めっきり日の短くなった昨今、すっかり夜の帳が降りてからお邪魔したのは、
先程のお店の向かいにある市役所からも程近い珈琲専門店わ・を・んさん。

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最近では貴重となったジャズの流れる純喫茶として、まだ昭和の時代から変わらぬ佇まいを保っている。
その当時からお店を守っていらっしゃる地元民のアイドルこと名物マダムは、突然の訪問にも顔を
顰めることなく、大変気さくに持て成してくださった。

奥手側のショー・ケースに見えるステンド・グラスは、なんと
先程の大豆パン店のオーナーによる作品なのだそうな。

長年通われている常連さんは、こちらのマダムの人柄に惹かれている方も多いと見える。
もしかしたら、件のオーナーも、そのお一人なのだろうか。

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なんとも趣きのあるカップで供されるコーヒーは流石においしく、思わず”珈琲”と記したくなる
正統派な味わいである。先週に引き続いて、同じような締めの画像になっちゃったことにふと
気が付きはしたものの、それでもこの感動を伝えたくて載せちゃったのは、どうも面目ねえ。

それにつけても居心地のいい空間は、思わず時間を忘れてしまうほど。

珈琲に含まれるカフェインにはお酒にも似た酩酊効果があると聞くけれど、
本当に酔わせてくれるのは、お酒より珈琲より何よりも、北本市民の温かなお人柄かも知れない。

【今回取材させて頂いたび~んずなっち様】

HYPERLINK:http://beansnacchi.cart.fc2.com/

【今回取材させて頂いたCafe & Beer のんスタ様】

(北本市文化センター1F)

【今回取材させて頂いた珈琲専門店わ・を・ん様】

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