元祖デカ盛り喫茶店の呼び声高い珈琲屋OB【埼玉ブルース第16回】

埼玉ブルース

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」。

そろそろ猛暑も落ち着いて、新しい季節の訪れをひしひしと感じる今日この頃。芸術の秋にスポーツの秋……
いろんな秋がありますが、今回はひと足お先に食欲の秋を堪能しに、
東京都の玄関口こと八潮市に行って参りました!

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本日お邪魔するのは、元祖デカ盛り喫茶店の呼び声高い珈琲屋OBさん。
その常識を超えたあまりにも桁外れな大きさに、お客さんから思わず漏れる
「Oh, Big……!」から屋号をとられているとかいないとか?

我が県内でも屈指の交通量を誇る県道115号線沿いの本店へ伺うと、周辺の近代的な建物からは
一線を画すようなログ・ハウスがお目見え。まるで避暑地に足を運んだみたいな佇まいは、
さながら都会に疲れた大人達のためのオアシスです。

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早速お店へ入ろうとしたところへまさかのにゃんこによる乙なお出迎え。
そう、この珈琲屋OBさんの八潮本店は知る人ぞ知る猫好きの聖地でもあるのです。
それを受けてか店内にも至る場所に猫グッズが置いてありました。

ここでお客様をお迎えすると言う大変な使命を担ったエリートにゃんこ達。
なんと夏場はクーラー、冬場は暖房設備完備とのことで、この不況の最中にありながら
こちとら人間も真っ青の福利厚生の充実振りです。

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そんな意表をついたおもてなしを受けつつ扉の中へ足を踏み入れると、そこに広がっていたのは
外観に違わぬ優しい木目調の世界でした。

うん、なんだか古き良き喫茶店って感じかも。しつこく繰り返すようですが、ここは県道115号沿いの大都会。
とは言え、何処の山荘に来たんだってくらいに情緒漂う室内と、そこを隈なく照らす白熱灯の柔らかさがなんとも
いい味出してます。

ここまではごく親しみやすい雰囲気を持った昔ながらの喫茶店にしか見えなかったのですが、

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そのご親切に甘えて普段お店で使っていると仰る食器類を見せて頂くと……そこにはやはり一風変わった
光景が広がっていた。ざっと見渡しても水差しや保存瓶からパスタ入れや花瓶に至るまで実に豊富なお取り揃え。
あれ、”食器”って何だったかな?

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お店の方のお勧めを受けてお願いしたクリームソーダも容量1ℓ超というデカンタに入って来るらしい。
果たしてどんな代物がやって来るのかとわくわくしながら待つこと数分。

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やって来たのはデカ盛りにもほどがあるクリームソーダ・フロート。
これまで喫茶店で飲んだすべてのメニューの内で間違いなく一番インパクトがあります。

その前評判ゆえに念のため持参しておいた正露丸のピル・ケースとは比べものにならないデカさ。

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これだけでは分かりにくいかも知れないので、こんなものとも比べてみる。
ごくごく一般的なスマフォと並んでも堂々たるボリュームは、まさにフロート界のエルザタワーや~!

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埼玉県でも屈指の超高層ビルを思わせるその素晴らしいデカ盛り加減をまじまじ見つめようにも、
その尋常ならぬ高さをまさかの上目遣いで見上げる羽目に。

なんとか切り込もうにも、なんだかスプーンを持つ手が震えてさえ来る始末。
今までの人生で、こんなに先割れスプーンのことを心許なく感じた日があっただろうか……。

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そう言いつつも、なんだかんだ食べ進めてみれば絶品のアイスクリームやフルーツの大盤振る舞いに否応なく
テンションは上がらされっぱなし。これまでにこのコーナーではわらじかつ丼のメガ盛りとかうどんほぼ三人前
みたいな結構な量のグルメを食べ尽くして来たことだし、それらからしたらいかにデカイとは言え、
こうした甘味なら余裕でしょ!

と言うことで、

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「この甘さに合うものを」と軽い気持ちでアイスティをお願いしたところ、そこに登場したのは……
なななななんと金魚鉢!?

ご丁寧にご一緒に運ばれて来たお冷(実はこれもかなりの大きさ)のお隣に鎮座するのは、
これまた想像の斜め上を行く圧巻の大きさ。その容量はなんと2ℓ弱とのこと。

早くも先程甘味だと思って甘く見ていた自分を呪い掛けたところへ、

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まさかの追い討ちをかけるがごとく運ばれて来る並々と入ったガムシロップ。
普通は、この容器にお茶が入って来たとしても多いくらいだと思うんです。。。

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それを混ぜるマドラーとして付いて来たのは、よくサラダを取り分けるのなんかに使われる
木製のサーバースプーンでした。た、確かに普通サイズの食器では太刀打ち出来ないでしょうけれども!

ちなみに、この規格外に長いストローを作っている会社は国内でも一社しかないとのこと。
むしろ、よくぞ作っていてくださったと感謝せずにはいられません。

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甘いもの × さっぱりした口当たり = 何ら問題なく完食までたどり着けるという方程式は
どんな食品にも万能だと信じていなかったのですが、ここで筆者はひとつ大きな計算ミスを見落としていたようだ。
それは、

甘いもの(飲みもの) × さっぱりした口当たり(飲み物) = 当たり前だがどっちも水分

だと言うことに!

いや、はじめから気付けよというお叱りはこの際さて置くとして、
この時点で既にお腹はちゃぷちゃぷのたぽたぽ。

これを見かねたお店の方から「残しても大丈夫ですよ」とお気遣いを頂くものの、
自分の落とし前は自ら必ず付けるという社会人としての鉄の掟と、何よりも亡くなった母の
「他所様から出されたものを残してはいけない」という遺言を守り通すためにも、
ここは一歩も引く訳には行きません。

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そして、なんとか粘ること二時間半。ようやく完食!

たかだか飲み物を飲み切ったくらいでとお思いかもですが、最後の一滴を飲み込んだ
次の瞬間には思わずガッツ・ポーズまで決めてしまったほど。
こんなに達成感を味わったのは、もしかしたら大学受験以来かも知れない。

「何よりも信念を曲げずに頑張れたのがよかったです」と、まるでヒーロー・インタビュー
さながらの台詞を言ってみる。あ、ちなみに、うちの母はだいぶ昔に42歳で加齢を止めたと自称していますが、
今でもすこぶる元気です。

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そんな訳でうっかり長居をさせて頂いて、既にお暇する頃にはあたりには
とっぷり夜の帳が下りていました。

普通のサイズじゃ足りない猛者も不思議の国のアリス症候群に憧れる夢子ちゃんも、
みんなこのお店に来ればいい。もしグループでわいわい楽しめるのなら、それがいい。
出来ることなら筆者だってそうしたかったです。

【今回取材させて頂いた珈琲屋OB様本店】

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